埼玉新聞

 

結果出してと言いたいが「体に気を付けて」 埼玉・ふじみ野でパラ出場選手の壮行会、後輩や市長らがエール

  • 八尾陽夏選手(中央)に応援メッセージの寄せ書き旗を寄贈した亀久保小学校6年生の鈴木美空さん(左から)と清水理紗子さん、佐々木翼君。右から2番目は高畑博市長=ふじみ野市役所

 東京パラリンピックのボート競技「混合PR3舵手つきフォア」に出場するふじみ野市在住、八尾陽夏(やお・はるか)選手(23)=戸田中央総合病院ローイングクラブ=の激励会が5日、同市役所で開かれた。高畑博市長をはじめ、八尾s選手が在籍していた小中学校の生徒や校長らが出席。小学校からは寄せ書きの応援メッセージが贈呈され、中学校からは吹奏楽部による応援ソングの動画上映が行われた。

 八尾選手は和歌山県生まれ。父親の仕事の関係で幼少期はドイツや東京で過ごした。小学校4年時に都内からふじみ野市に転居。同市立亀久保小5年時に突然、脳梗塞に見舞われ、半身不随になった。市立大井東中に1年在籍後、筑波大付属の特別支援学校に転校した。

 中学、高校では陸上パラ競技で活躍。2013年のアジアユースパラ競技大会は走り幅跳びなど3種目で優勝した。大学からボートに転向し、19年のアジア選手権は準優勝。今年のパラリンピック世界最終予選で6位の成績を収めている。

 激励会では亀久保小6年生102人が応援メッセージをつづった寄せ書き旗2枚を贈呈、大井東中吹奏楽部の生徒らが「世界に一つだけの花」を演奏した動画を上映した。生徒らは「体に気を付けて頑張ってほしい」とエールを送った。

 高畑市長は「国の代表として世界の舞台に立ち、しかも自国開催。八尾選手の姿は多くの人に勇気と感動を与えてくれると思う。結果を出してほしいと言いたいが、体調管理をしてじっくり楽しんでほしい」と激励した。

 八尾選手は「皆さんに出場報告ができたことをうれしく思う。参加競技はアジアでは日本だけが出場し、日本以外はいずれも強豪国ばかり。相手国にプレッシャーを与えられるように全力疾走したい」と意気込みを語った。

【ボート競技・混合PR3舵手付きフォア】

 四肢または視覚に障害のある選手4人と指示役1人の計5人乗りのボートで実施する競技。東京パラ大会では27~29日に開催する。

ツイート シェア シェア