埼玉新聞

 

すでに83人死亡…今年の交通事故で 秋の交通安全運動を実施中 埼玉県警、横断歩道の事故防止が重点目標

  • 21日から30日まで秋の全国交通安全運動

 秋の全国交通安全運動が21日から30日まで実施される。今年の県内の交通事故死者は15日時点で83人。前年同期より8人多く、全国ワースト4位となっている。特に歩行中の死者が依然として多いことから、県警は3期連続で、「横断歩道における歩行者優先の徹底」を重点目標に設定。新型コロナウイルスの感染防止に努めつつ、県内各地でさまざまな広報啓発活動を展開する。

 県警交通総務課によると、1~8月の交通事故死者76人中、歩行者は29人で全体の38・2%を占めて最多。前年同期より4人多く、占める割合も3ポイント高い。

 このうち横断歩道を横断中だったのは前年と同数の7人、横断歩道以外を横断中だったのは6人多い15人。

 また、歩行中の死者29人のうち、65歳以上は21人、75歳以上は14人で、高齢者の割合が高くなっている。

 県警は今年1月から横断歩道を渡る際に手を上げて知らせるよう呼び掛ける啓発活動を推進。イメージキャラクター「サインちゃん」を活用した安全教育を実施している。

 県警の調査によると、信号機のない横断歩道で歩行者が手を上げて横断する意思を明確に示した場合、車の停止率は85・5%。手を上げなかった場合の49・8%に比べて35・7ポイント上回っており、有効性が認められる。

 同課は「歩行者は身を守るための行動を取って道路を安全に利用してほしい。ドライバーは歩行者を早めに発見して優先を徹底してほしい」としている。

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