埼玉新聞

 

さいたま市役所の移転決定 浦和からさいたま新都心へ…2031年度をめど、新庁舎の移転整備を目指す

  • 移転が決定したさいたま市役所の現庁舎=さいたま市浦和区常盤6丁目

  • 移転先のさいたま新都心バスターミナルほか街区=さいたま市大宮区北袋町1丁目

 市庁舎の移転を計画しているさいたま市は28日、市議会4月臨時会に市役所の位置に関する条例の改正案を提出した。審議は長時間にわたり、29日未明の本会議で記名投票による採決が行われ、出席議員57人のうち48人が同意(賛成)し、3分2以上となる特別多数議決で可決した。改正条例に基づき、新しい市役所は現庁舎地(浦和区常盤6丁目)から、さいたま新都心バスターミナルほか街区(大宮区北袋町1丁目)に移転することが決定した。

 清水勇人市長は臨時会閉会後、「さいたま市の輝かしい未来に向けた大きな一歩となると確信しています。本日に至るまで、多くの関係者のご尽力をいただいたことに改めて深く感謝を申し上げます。市の未来を見据えたまちづくりの実現に向け、全身全霊で取り組んでまいります」とコメントを出した。

 市議会の定数は60で、3人が本会議の採決を退席し、出席議員は57人となった。3分の2以上の特別多数議決には38人の同意が必要となり、48人が同意、9人が反対して可決された。新庁舎の共用開始は未定として、施行期日は規則で定める日としている。

 議案を審議した総合政策委員会は賛成多数で可決した。「将来的に、市役所の所在地については、さいたま新都心にふさわしい住居表示の実施を検討すること」とする付帯決議が委員会可決された。本会議では提案されず、今後議論していくという。

 清水市長は昨年2月、10年後をめどに市役所の移転を目指すと表明。市は昨年12月、新庁舎整備等基本構想を策定した。概算面積は約4万3千平方メートル、概算費用は約221億円。市は6月定例会で、次の段階となる基本計画に関する補正予算案を提出する方針で、2031年度をめどに新庁舎の移転整備を目指す。現庁舎地には浦和区役所と浦和消防署の機能を残し、利活用の検討と浦和駅周辺のまちづくりを進める。

 ■特別多数議決

 通常の予算や条例議案は出席議員の過半数により決定することが原則。例外として、市民への影響が大きい議案はより慎重な意思決定が必要とされ、地方自治法が要件を規定している。今回の市役所の位置決定や移転に関する条例制定や改正では、議長を含む出席議員の3分の2以上の同意による特別多数議決が必要とされている。

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