死者全員ヘルメットかぶっておらず…自転車事故の現実、大人まねる子 死者7人中5人は一時不停止など違反
自転車活用推進法で定められた5月の「自転車月間」に合わせて、県警は自転車の正しい利用やヘルメットの着用などを求めている。今年1~4月の交通事故による死者は暫定で37人(前年比4人減)。うち、自転車事故による死者は7人(同4人減)で全員がヘルメットを着用していなかった。県警はキャンペーンで自転車利用者らに啓発品を配り、自転車の適正利用などの周知を徹底。「車と同じくルールを守ってほしい」と訴えている。
自転車の安全利用呼びかけは2017年5月の法施行以降、自転車月間に合わせて毎年行われている。しかし、スマートフォンや傘を利用しながらの運転、一時不停止などルールやマナーを守らない自転車が目立っており、県警交通総務課によると、今年の自転車事故死者7人のうち、5人は一時不停止など何らかの違反が認められたという。
また、ヘルメットの着用率も伸びていない。昨年1年間での自転車事故による死者は34人で、全員がヘルメット未着用。うち20人が頭部に致命傷を負っていた。また、今年4月末までの自転車事故死傷者1354人(暫定)のうち、ヘルメットを着用していたのは76人で全体の5・6%にとどまっている。
同課は10日、草加市栄町2丁目の獨協大学前駅前の交差点で「自転車事故防止キャンペーン」を実施。キャンペーンでは、チラシや反射材が入った啓発品を自転車利用者らに500セット配り、交通ルールの順守徹底を呼びかけた。また、自転車に反射材を付ける取り組みも行った。
同課によると、自転車乗車中にヘルメットを着用していないと、着用している場合より、事故による致死率は3倍に上がるという。
同課は「大人がルールを守らなければ子どもがまねをする。ヘルメットも全世代に着用が推奨されているので、大人がかぶって見本となってほしい」と呼びかけている。