リスク早期発見へ連携を…伊奈の4歳女児虐待死で検証委が報告書 再発防止へ初動対応や情報共有強化を提言
2022/11/03/00:00
伊奈町で2017年12月に当時4歳の女児が虐待により死亡し、両親が逮捕された事件について、県は2日、検証委員会(委員長・大竹智立正大教授)から提出された報告書を公開した。潜在化リスクを早期発見するため、県や市町村、関係機関などと連携することなどが提言された。
委員会は裁判の判決を待って今年5月から8月までに計4回開かれ、学識経験者や社会福祉士らが再発防止に向けて課題を検証した。
報告書によると、16年7月に近隣住民から通告を受け、伊奈町職員が自宅を訪問。腕などににあざや傷があり、母から「トイレトレーニングが大変」と相談があったが、翌年2月に女児の検診をした保健センターへの情報提供はなかった。両親の暴行は断続的に続き、女児は痛みで食事ができなくなり死亡した。
課題として潜在化リスクの早期発見などを挙げ、県や市町村、関係機関などと連携した集団に属さない子どもの見守り方法、情報共有の在り方構築や初動対応力の向上、悩みを発信する機会を増やすことによる悩みを捉えたアプローチ方法を検討することを提言した。
事務局の県こども安全課は、「起きてはいけない痛ましい事件が県内で発生したことを重く受け止めている。市町村に周知し、着実に取り組む」と話した。