開通へ東埼玉道路、周辺から熱視線 14キロ超の区間に導入求める新交通システムとは 利便性向上に期待大
全線開通(時期未定)を目指し整備が進められている「東埼玉道路」に自動運転専用道路を整備し、バス高速輸送システム(BRT)など新たな交通システムを導入する機運が高まっている。
21日には沿線自治体の首長が県庁を訪れ、大野元裕知事に支援を求めた。大野知事は「東埼玉道路に自動運転専用道路が整備され、新交通システムが導入されれば高齢者や障害のある方など全ての方の移動の利便性向上につながる」とし、国に整備を進めるよう要望する考えを示した。
東埼玉道路は八潮市の外環道を起点に、春日部市下柳の国道16号までをつなぐ延長約17・6キロの道路。国道4号の渋滞緩和や周辺地域の開発支援、災害時の輸送などの役割が期待され、これまでに吉川市川藤までの約5・7キロが開通している。
県に支援を求めたのは春日部、草加、越谷、八潮、三郷、吉川、松伏の6市1町の首長(代理含む)。東埼玉道路整備計画のうち、起点の八潮市八條の八潮PA・八潮スマートインターチェンジ(IC)予定地から、春日部市水角までの約14・4キロの区間に自動運転専用道路を整備することを求めている。渋滞に左右されず、定時運行が可能なBRTなどの新たな交通システムにより、バス利用者が多い東埼玉道路周辺の交通利便性向上や、渋滞時に専用道路を緊急車両用として利用できるなどの効果が期待できるとしている。
合わせてBRTなどの導入により、八潮市八條から、松伏町内に検討されている道の駅までの9・5キロの区間では、目的地手前から公共交通機関の利用を促す「パーク&ライド」を実施することで、周辺施設の周遊につなげる。
要望に立ち合った西田実仁参院議員(埼玉選挙区)は「自動運転専用道が可能になれば直轄国道では初めて。県東部の発展だけにとどまらず、県や日本全国の大きなモデルとなるよう尽くしたい」と話した。
政府は、特定の条件下でシステムが車を操作する「レベル4」相当の自動運転移動サービスや、自動配送ロボットを使った事業を来年4月1日に解禁することを決めている。