節目の式は20歳で…19歳で「18歳成人」迎えた世代が「成人式」 埼玉は全自治体が20歳対象で開催
「成人の日」を翌日に控えた8日、県内各地で2022年度に20歳となる若者を祝う「成人式」が開かれた。昨年4月の改正民法施行で、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことに伴い、県内では43市町村が「二十歳の集い」などに名称を変更。3連休の中日で開催が集中した8日は47市町村で行い、9日には16市町で実施される。
県教育局によると、前年より1064人減の7万499人が20歳の節目を迎えた。川越市新宿町のウェスタ川越では、3回に分けて式を開催。華やな振り袖やスーツなどに身を包んだ参加者たちが、成人の自覚を新たにした。
■9割が「今までのままで」
民法上の成人が18歳となり、初めての成人式を迎えた。しかし、18歳は進学や就職などで忙しく、県内全ての市町村は従来通り20歳を対象に「成人式」や「二十歳の集い」を開催。制度と運用で食い違いが生じる中、7割を超える自治体で式が行われた8日、参加者に「18歳成人」や式典の持ち方を聞いた。多くの“新成人”たちは、「成人年齢18歳」が妥当としたものの、式典は20歳で行う方がいいと話した。
川越市の式に参加した大学生の伊藤利和さんは成人年齢の引き下げに、「結婚も18歳からできるのだから、いいと思う」と賛成。吉川市の大学生、丸山大貴さんも「18歳でも自己判断と社会貢献できる年齢だ」。寄居町の大学生、今泉柚紀さんも、自立するタイミングが増えて一つの節目にもなるため18歳成人は適当と話した。同町のフリーター、板橋純さんは「19歳の時に18歳成人が決まり、混乱はあったが、意識や生活に変わりはなかった」と語り、大学生の長谷川晃士さんも高校を卒業して働く人もいるので18歳成人を賛成。同じく大学生の島崎祐斗さんは「自分の行動に責任が取れるようにしてきた」と語った。
一方で、異論を唱える声もあった。川越市の大学生、井上祥汰さんは「成人になるのは、今まで通り20歳が良かったのではないか。飲酒や喫煙は引き下げられないので、一緒の方がしっくりくる」。寄居町の大学生、萩原帆香さんは「18歳の時に考えられなかったことが20歳になってから考えられるようになった」と自身を振り返った。
式を行う年齢について、吉川市は昨年、当事者を対象にアンケート調査。約9割が現行のままを希望したため、名称も対象年齢も従来通りとした。川越市の会社員、米谷和香歩さんは「20歳のままでいい。昔の仲間とせっかく集まれる機会なので、お酒を飲める年齢になってからの方が楽しめる」と話した。「18歳だと大学受験で忙しく祝う余裕がない」「同窓会的意味合いがあり従来通りで良い」とする声が多く聞かれた。
川越市の井上さんは「もし式の年齢を18歳に下げるのならば、いきなりではなく移行期間をつくって徐々に変えていくべき」と提案した。
大人として行ったこととして、川越市の大学生、伊東絵梨香さんは「選挙の投票」と回答。だが、「それ以外は特に何もしていない」と振り返る。米谷さんも「成人年齢が下がっても、普段の生活ではあまり変わった感じがしない」と率直な感想を話した。吉川市の大学生、片山稔さんは「選挙権を得たことでマニフェストなどを比較し候補者本位で投票した」と述べた。