西武園ゆうえんち、トレンドの体験型イルミ人気 客引き込むストーリー、全面「特殊効果」は初 背景には
2023/01/13/00:00
電力需要の増大やロシアに対する経済制裁措置の影響などから、全国的に電力不足が懸念される中、冬の風物詩「イルミネーション」にも変化が起きている。中止や規模縮小を選択する自治体・企業も少なくないが、これまでの電飾を多用した派手なイルミから、電光を抑えつつ観客を満足させる新しいイルミの形を模索する取り組みもある。トレンドは「体験型」。観客が動いたり触れたりすることで音響やスモークの演出が起こり、物語仕立てでイルミの世界に観客を誘い込む。
西武園ゆうえんち(所沢市山口)で開催中の体験型イルミ「メモリー・オブ・ライト」は、2021年の同園リニューアル後初の冬季イベントで、「神秘の森」に見立てた夜の園内を歩きながら、どんな願いも叶える「願いの木」を探すというストーリー。
同イベントでは鞠(まり)をモチーフにした明かりや文様を使った“和”の色彩をコンセプトに六つの章で構成。観客は約30分かけて園内を歩きながら、自分の手で作った影絵が動き出すポイントや、祈りを捧げると壮大な音楽とともにスモークバブルと光に包まれるポイントで非日常的な体験を楽しむことができる。
同園担当者によれば「プロジェクションマッピングやスモークバブルなど特殊効果を全面に使ったイベントは初」といい、白熱電球は使用せずLEDで消費電力を抑えつつ、演出で最大限に楽しませるとして「家族、友人、恋人との思い出に心温まる体験をしてほしい」と呼びかけている。
同園ではまた14日から、イベントに合わせて焚き火体験も実施する。焚き火は「夕日の縁日通り」に設置され、体を温めながら、園内で販売されているマシュマロを焼いて食べることもできる。