少女気絶、ピカッと光った一瞬で…気付くと自分ひとり座っていた 辺り一変、痛々しい人々 被爆体験の記憶
2023/01/10/00:00
本庄高校定時制の生徒23人が、人権教育をテーマにした平和講話で県原爆被害者協議会「しらさぎ会」副会長の木内恭子(ゆきこ)さんから話しを聞いた。9歳の時、広島の爆心地から1・6キロ先で被爆した木内さんは「被爆をしたいと思って被爆をしたわけではない」とその不条理を訴えた。
蕨市にある同会事務所と同校をオンラインでつないで実施。「平和への想(おも)いをつなげたい」が演題。木内さんは画面越しから、ピカッという光を見て気絶し、気が付くと辺りは一変していたという。
自分だけがれきの上に座り、そこから見た光景は、がれきの下からはい出てくる人、助けを求めながらさまよい歩く痛々しい負傷者の姿だった。その後も身近な人たちが放射能の影響で次々と亡くなったと説明した。
放射能の影響を心配して自身の子どもにも原爆のことは話してこなかった木内さん。「二度と戦争など起こらない平和な世の中でありますように」と胸の内を明かした上で「核兵器を持たない、作らせない世界にするため戦争を知らない若者に戦争の悲惨さを知ってもらって学んでほしい」と生徒に語りかけた。
講話後、生徒は「被爆体験を海外にも発信するべきだ」「戦争をしない、させないためにはどうするべきか、考えたい」と話していた。