「原子力発電ゼロにできる」菅直人元首相が講演 2011年振り返り、現政権「間違った方向に進んでいる」
2023/01/23/00:00
立憲民主党最高顧問の菅直人元首相が21日、さいたま市浦和区の埼玉会館で開かれた原子力発電に反対する市民集会で、「総理大臣として福島原発事故といかに闘ったか」と題して講演した。2011年の東京電力福島第1原発事故当時、首相だった経験を振り返り、現政権を「運転期間の延長や新たな原発をつくるなど、間違った方向に進んでいる」と批判。「再生エネルギーで日本の電力は十分に供給可能。原子力はゼロにできる」と強調した。
菅氏は事故当時について「報告を受けた経済産業省の担当者が専門家でなく、翌朝現地にヘリで行って状況を聞いた」と説明。福島第1原発を中心に、神奈川県までを含む半径250キロの5千万人が避難対象の「最悪のシナリオ」となる可能性もあったとし、「偶然の幸運が重なった結果だった」と話した。
再生可能エネルギーについては、農地で太陽光発電を進めれば「現在日本で利用している電力の2倍の供給が理論上は可能」と指摘した。また、2030年に原子力、石炭、天然ガスエネルギーを各20%、太陽光を16%とする政府の計画を紹介。太陽光の実績は10年の0・3%から20年に7・8%に伸びていることから、原子力をゼロ、太陽光を50%にできると訴えた。
集会は司法問題を考える有志団体「弁護士の連帯を強める埼玉の会」が主催した。