友達はヤングケアラー…「私」は? 上尾の小中学生、他者の認識は20%、自覚は2%以下 生活に影響も
上尾市が市内の児童生徒を対象に、家族の世話や家事、介護などを担う子ども「ヤングケアラー」の状況を把握する実態調査を実施したところ、小学生の7%、中学生の4・3%がヤングケアラーに当たることが分かった。非ヤングケアラーと比較した場合の通学状況では、ヤングケアラーは「たまに欠席する」が小中学生とも多くなっており、学校生活に関しては、小学生は「忘れ物が多い」(32・7%)中学生は「提出物が遅れる」(同)と回答、生活面に影響が出ていることが分かった。
調査は昨年9~10月、情報通信技術(ICT)端末を利用したウェブアンケート形式で実施。対象は小学4~6年5454人(有効回答数4329人、回答率79・4%)、中学1~3年5650人(同5017人、88・8%)。
「友だちの中にヤングケアラーはいるか」の質問には小学生も中学生も約20%が「いる」と回答。「自分はヤングケアラーにあてはまるか」には小学生1・8%。中学生0・7%が「あてはまる」と答えたが、約2割は「わからない」と答えた。そこで調査では「わからない」と答えた人の中から「家族の中にあなたがお世話をしている人がいるか」と質問し、「いる」と回答した児童生徒を「ヤングケアラー」と判断した。
「お世話」の対象は小学生は「きょうだい」(50・7%)、中学生は「母親」(45・5%)が最も多く、「お世話の大変さ」については小学生は「体力面で大変」(15・8%)、中学生は「気持ちの面が大変」(19%)と回答している一方、小中学生ともに約半数が「特に大変さは感じてない」と答えている。
内容は「見守り」(小学生34・9%、中学生42・5%)、「食事のしたくやそうじ」(小学生31・7%、中学生44・5%)が多く、そのほか「話し相手」「お風呂やトイレの世話」「買い物や散歩」など。頻度は小学生43・9%、中学生35・5%が「ほぼ毎日」と答えた。
市は「ヤングケアラーについての周知、啓発を進め、子どもたちが安心して健やかに成長できるよう、支援の基本理念を定めた条例の制定を目指したい」とし、継続的な支援を検討していく考え。