昨年12月、飯能市美杉台の住宅で住民の夫婦と帰省中の長女の3人が殺害された事件で、県警は夫婦への殺人容疑で送検された近所の無職の男（40）を、勾留期限となる6日にも夫婦の長女に対する殺人の疑いで再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。

　捜査関係者によると、男は昨年12月25日午前7時過ぎ、住宅の敷地内で長女（32）＝東京都渋谷区＝を鈍器のような物で複数回殴打し、殺害した疑いが持たれている。

　これまでに県警は米国籍の男性（69）と妻（68）を同様の方法で殺害したとして、男を送検している。

　県警は男宅から凶器とみられる複数の鈍器のほか、血の付いた衣類や手袋などを押収して解析。そのうち、複数の衣類に付着していた血液が親子3人のDNA型と一致した。さらに、被害者宅の防犯カメラ映像や近隣住民の目撃情報などから、長女への犯行も裏付けたとみられる。

　男はこれまでの取り調べで「逮捕された内容について知らない」などと一貫して犯行を否認している。

　現場宅内は一部が焼失し、油の成分が検出されていて、県警は男が3人を襲撃した後に住宅に火を付けたとみて、放火容疑での立件も視野に調べている。