埼玉新聞

 

春の始まり祝う「朝搾り」 立春の未明から作業、おはらい経て当日中に客先へ 埼玉で唯一参加の五十嵐酒造

  • 「立春朝搾り」の出荷作業をする職人ら=4日朝、飯能市川寺の五十嵐酒造

    「立春朝搾り」の出荷作業をする職人ら=4日朝、飯能市川寺の五十嵐酒造

  • 「立春朝搾り」の出荷作業をする職人ら=4日朝、飯能市川寺の五十嵐酒造

 飯能市川寺の五十嵐酒造で4日、立春を祝う縁起酒「立春朝搾り」の出荷が行われた。

 「立春朝搾り」は、日本名門酒会(東京都中央区)が呼びかけ、全国37都道府県の43蔵が参加する日本酒の一大祭典で、各蔵が4日に搾った生原酒を地元の神主がおはらいし、その日のうちに客の元まで届けるイベント。県からは五十嵐酒造のみが参加している。

 4日に搾った酒のみが「立春朝搾り」を名乗れるため、五十嵐酒造では4日の未明から作業を開始し、約8時間かけて四合瓶(720ミリリットル)換算で、約7千本分を搾りあげた。仕込みは「小寒(1月6日)」ごろに行われたという。

 瓶詰めされた酒は県内外の酒販店が直接同社の蔵まで集荷に訪れ、地元の神主がおはらいを済ませたものから出荷されていった。

 五十嵐正則社長は「立春朝搾りは、薄にごりのかすみがかった酒で、味わいも香りもいい。立春ということで、春を感じながら味わってほしい」と話していた。

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