埼玉新聞

 

<知事選>上田清司知事、5選不出馬を表明「改革の成果出た」「やり残したことはない」 国政復帰には含み

  • 5選不出馬を表明する上田清司知事=15日午後、県庁

 現在4期目の上田清司知事(71)は15日、県庁で記者会見し、「任期満了(8月30日)をもって、知事の仕事を終了させていただく。やり残したことはない」と述べ、同8日告示、同25日投開票の知事選に立候補しないことを表明した。全国知事会長も務めているが、「改革の成果と方向性がきちんと出ている。令和の時代にふさわしい方に、新たなる埼玉の時代を担ってもらう」と話した。政界引退については明言せず、退任後の国政復帰は「白紙」としながらも含みを持たせた。

 上田氏は「改革の流れは誰がやろうと、一定の方向はできている」と、4期16年の成果を強調。後継指名こそしていないものの、既に出馬表明している国民民主党の大野元裕参院議員(55)=埼玉選挙区=に「期待している」と語った。

 任期満了後については「一休みしたい。具体的には何も考えていない」と述べるにとどめた。政界引退について問われると、「なかなかさせてくれない雰囲気」とかわした。大野氏のくら替えに伴い、10月投開票の可能性がある参院補選に出馬するとの臆測もあるが、「全くの白紙」とした。

 上田氏は衆院議員を3期務めた後、2003年8月の知事選に「しがらみ一掃」を掲げて無所属で立候補し初当選。任期中は職員削減などの行財政や外郭団体の業績改善、貧困世帯の子どもらに対する支援などで実績を残した。

 一方、前回(15年)の知事選では、自ら定めた任期を連続3期までとする「多選自粛条例」に反して出馬。自民県連推薦の候補者らを破って4選を果たし、県議会最大会派の自民党県議団との対立を深めた。

 知事選を巡っては、自民が元プロ野球選手でスポーツライターの青島健太氏(61)に出馬を要請。大野氏のほか、希望の党を離党した行田邦子参院議員(53)らも出馬表明している。

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