秩父産の木材使ったひつぎ、初めて火葬 強度低く燃えやすい、横瀬の会社が開発「木材の有効活用に」
2019/06/21/00:00
秩父産の木材を使ったひつぎが19日に秩父地域で初めて火葬された。横瀬町の金子製材が関係機関と協力して開発し、燃焼実験なども行い、品質に問題がないことを確認していた。同社の金子真治社長(61)は「秩父の木材の有効活用につながれば」と語る。
秩父地域の1市4町にある森林は県の森林の63%を占めるが、戦後の拡大造林政策で植えられたヒノキやスギ、サワラは伐採の時期を迎えている。
サワラは強度が低く、構造材として使用することは難しかった。金子社長は「少しでも山にお金を戻したかった」と燃えやすかったサワラでひつぎを作ることを考えた。
秩父産のサワラやスギ、ヒノキで作ったひつぎは秩父斎場で燃焼実験を行い、試行錯誤を重ねた。燃焼速度や燃えくずの量も問題なく、重量実験でも合格点を得ることができた。
2018年2月に秩父宮記念市民会館で行われた「第5回木育サミット」で3種類のひつぎを展示すると、来場者からの評判も良かった。
ひつぎは海外製が一般的だが、絹織物「秩父銘仙」の柄を使用した布団や絹を使ったカバーも用意。販売は始めていないが、大きな可能性を秘めている。
金子社長は「木の根元部分も構造材としては使用できないが、ひつぎなら有効活用できる。秩父のPRにもつながるので、軌道に乗せていければ」と話していた。