埼玉新聞

 

免許なくても内定出します! 埼玉県教委、教員採用で社会人「特別選考」新設 2年以内の取得が条件

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    県教委、免許なし社会人採用へ

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 県教育委員会は教員のなり手が不足していることから、2023年7月から実施する24年度採用の県公立学校教員採用試験で、教員免許を持たない社会人も受験できるようにする。民間企業での経験者を対象に「セカンドキャリア特別選考」を新設。2年以内の免許取得を条件に内定を出す。意欲ある社会人に狙いを定めて転職のハードルを下げることで、確実に人材を確保して教員の減少に歯止めをかける考えだ。

 県教育局教職員採用課によると、24年度の採用見込み数は小学校700人(前年度比150人減)、中学校450人(同30人減)、高校300人(同30人減)、特別支援学校200人(同増減なし)。過去最多となった23年度よりは減ったものの、高水準にある。一方、志願者数は減少傾向にあり、23年度採用の小学校教員の倍率は平成以降初めて2倍を下回る1・8倍。養護、栄養教員も含む全体の受験者数は20年度の6512人(倍率4・0倍)から5391人(同2・8倍)まで減った。

 セカンドキャリア特別選考は、5年間以上民間企業などで本採用された経験のある人が対象。採用試験は本来、教員免許保持者か取得見込みであることが受験条件だが、同選考では2年間の取得猶予を設け、試験に合格してから教員免許を取得できるようにする。

 23年度までは民間企業経験者も一般選考で、新卒採用と同じ内容で受験。一般選考の1次試験は「一般教養、教職科目」と「専門」の試験があるが、特別選考では「一般教養、教職科目」試験がなくなり、「集団面接」に置き換えられる。

 計画ではそのほか、1次試験の合計点の加点措置を見直し、応用情報技術者試験の合格者や、高校の「情報」免許所有者への10点加点などを設け、情報通信技術(ICT)に精通する人材の確保を目指す。試験日程は最大4日間から3日間に短縮し、遠方からの受験者の負担を軽減。最終合格発表日は10月中旬から一般企業の採用内定前の9月下旬に前倒しする。

 同局は昨年、教員免許保持者で教職に就いていない「ペーパーティーチャー」を対象にセミナーを実施した。同課は「免許を取ったが教職に就かなかった人は多いと感じている(免許のない社会人には)少し受験のハードルが下がるので、志願者が増えるのでは」と期待する。高田直芳教育長は教委定例会で「いろいろな経験を持った教員が関わることで教育の質が高まる。若者と経験を積んだ人の両方にアプローチし、優秀な人材が来てもらえるよう努める」としている。

 全国では東京都が、22年度実施の試験から免許なしの受験を可能としている。

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