埼玉新聞

 

大宮駅近くの広大な土地、貸し出しへ さいたま市の誕生前から30年「塩漬け」状態、今まで何があった

  • 市営桜木駐車場の周辺地図(市提供)

    市営桜木駐車場の周辺地図(市提供)

  • 市営桜木駐車場の周辺地図(市提供)

 埼玉県さいたま市は、市営桜木駐車場(大宮区桜木3丁目)の用地活用事業者の公募を開始した。市は大宮駅周辺のまちづくりを進めており、人々が集まり交流する東日本の対流拠点として、市有地の活用を図るとしている。民間活力を導入するため、公募型プロポーザル方式を採用し、年額約1億3500万円で貸し出す。

 市東日本交流拠点整備課などによると、対象の敷地は大宮駅から北西の約500メートルに立地し、市有地約2・7ヘクタールのうち約1・8ヘクタール。現在は市営桜木駐車場で、新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場としても利用された。残りの0・9ヘクタールについて、市は広場などを整備する予定。

■30年にわたり「塩漬け」

 市営桜木駐車場の土地は、旧大宮市が約240億円で購入した。約30年にわたり駐車場として利用され、「塩漬け」状態が続いていた。

 市東日本交流拠点整備課などによると、桜木駐車場の敷地は旧大宮国鉄病院などの跡地で、旧大宮市が1993年度、約2・9ヘクタールを約240億円で購入した。複合公共施設建設事業用地として取得し、暫定利用で市営駐車場の事業を開始。計画が進まないまま、旧3市が2001年に合併し、さいたま市が誕生した。

 市は14年度に施設整備の需要調査地を決定。国際会議などで利用するMICE施設整備を検討したが、17年度に方針を見直した。21年度に用地活用方針を作成。用地活用事業者選定委員会が21年11月に設置され、公募の条件などを審議していた。

 桜木駐車場の収益は年間2千万~3千万円。公募による民間事業者への基準貸し付け料は年額約1億3500万円。同課は「歳入という側面だけで、判断することはできないと考えている。土地の活用に当たっては、さいたま市にとってより良い活用がなされるように方法を検討し、事業を推進してきた」としている。

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