埼玉新聞

 

「遺体の搬出費用」遺族から現金をだまし取ろうとした元巡査、起訴内容認める さいたま地裁で初公判

  • さいたま地方裁判所=さいたま市浦和区高砂

 遺体の搬出費用などと偽って、病死した川越市の男性=当時(67)=の遺族から現金をだまし取ろうとしたなどとして、詐欺未遂と地方公務員法違反の罪に問われた、川越署刑事課の元巡査の被告(25)の初公判が24日、さいたま地裁(高島由美子裁判官)で開かれ、被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。

 検察側の冒頭陳述によると、元巡査の被告は2017年ごろから、ギャンブルに金銭を消費し、消費者金融や知人から繰り返し借金。上司から指導を受けた後、「預金残高が80万円ある」などと申告していたことから、金銭を調達するため、検死の業務で知った個人情報を悪用。死亡した男性の姉に「遺体の搬出で費用がかかる」などとうその連絡をして金銭をだまし取ろうとしていた。元巡査の被告は今月14日、停職6月の懲戒処分を受け依願退職した。

 起訴状などによると、元巡査の被告は3月、男性の姉に遺体搬出の費用などとうそを言って現金をだまし取ろうとし、2月には、検死を担当した女性の遺族の個人情報を知人男性に漏らしたとされる。

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