埼玉新聞

 

県立高校の統廃合、計画通り推進 県、計画的な再編整備「避けて通れない」 地元からは撤回求める要望

  • 埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

 県立高校を統廃合する県の再編整備計画に地元から撤回を求める要望が出されていることについて、県は24日、改めて計画通り推進する考えを開会中の6月定例県議会で示した。

 小松弥生教育長は2017年からの12年間で、県内公立中学校卒業者数が約6万2千人から6千人程度減少するとし、「地域のバランスに配慮しながら県立高校を計画的に再編整備していくことは避けては通れない」との考えを強調した。

 秋山もえ議員(共産、上尾市)の一般質問に対する答弁。

 県教育委員会は現在134校の県立高校を29年4月までに124~121校に再編整備する方針を掲げている。そのうち「魅力ある県立高校づくり第1期実施方策(案)」では、1学年5学級以下の学校規模を対象に再編を進め、23年度に飯能南高校と飯能高校を統合し進学を重視する新校を開校。

 さらに児玉白楊高校と児玉高校を統合し、農業、工業両科の実習を取り入れた普通科を併設した新校の開校が計画されている。

 19日に明らかにされた再編整備計画に対し、飯能市の大久保勝市長らが21日、県教委に撤回を要求。同市議会も同日、撤回の要求を決議した。本庄市議会でも24日に各会派の代表者会議で「県立高校の統合を慎重に審議することを求める意見書」をまとめ、25日の同議会に上程する予定。

 地元で混乱や戸惑いが広がっていることについて、小松教育長は「(地元の)教育委員会などを訪問し、再編整備に向けた県の考えを説明し、地方創生の観点も踏まえ意見交換し、丁寧な対応に務めてきた。第1期の対象となったことが唐突と受け止められたと考えている」と答弁。

 その上で「今後も学校関係者や地元市などとも協議を重ね、再編整備を通じ、生徒にとってよりよい学習環境の整備に努めていく」とした。

 本庄市議の一人は埼玉新聞の取材に対し「県教委から一方的な通達があったのみで、20日の報道で詳細を知った。児玉、児玉白楊ともに残したい」と心境を明かした。県は県民コメントで再編整備計画への意見を募集している。

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