西武鉄道、5駅を「巡回駅」に変更 3月1日から 西武線沿線、駅係員が常駐しない駅は初 決断した理由
2023/02/27/06:43
西武鉄道(本社・所沢市)は、西武池袋線東吾野駅(飯能市)など五つの駅について、駅係員を常駐させず近隣の駅係員が定期的に見回る「巡回駅」に変更すると明らかにした。3月1日の初電車から実施する。人口減少に伴い乗降客数も減る傾向にあることなどから、対応に踏み切る。同社によると、西武線沿線で駅係員が常駐しない駅を置くのは初めてという。
駅係員を巡回体制に変更するのは、ほかに池袋線の武蔵横手(日高市)と秩父線の西吾野(飯能市)、正丸(同)、芦ケ久保(横瀬町)―の各駅。いずれの駅も、現行では駅係員1~2人が常駐している。
「巡回駅」となる5駅のうち正丸駅の1日平均の乗降客数(2021年度)は、西武線の全92駅の中で最少の169人。5駅の中で最も多い東吾野駅では360人だった。
巡回体制への変更に伴い、5駅は近隣の駅係員が1日1回の見回りを行い、設備の点検を行う。5駅での窓口や券売機による切符などの販売は終了となる。
交通系のICカードは専用の改札機にタッチして利用する。ICカードがない場合は、各駅の改札駅付近に設置された「乗降車駅証明書発行機」から証明書を取り、降車駅で駅係員に提示して運賃を支払う。定期券を購入する際は発行機から証明書を取った上で、駅係員が常駐する駅に移動して買い求める。
車いす利用など駅係員の案内が必要な乗降客は事前に、希望時間や乗車駅などを駅係員の常駐駅か「西武鉄道お客さまセンター」に知らせる。派遣された駅係員が対応する。
同社の担当者は「沿線人口の人口減少も踏まえ、効率的な運営をしなければならない。課題を踏まえて取り組んでいく」としている。
問い合わせは、同センター(電話04・2996・2888、午前9時~午後5時)へ。