国内唯一のUV対策ウエア専門ブランド「エポカル」、和光のピーカブーが展開 女性社長が起業した理由は
紫外線(UV)の浴び過ぎによる健康ダメージへの関心が高まっている。国内唯一の紫外線対策ウエア専門ブランド「エポカル」を展開するピーカブー(和光市)は、約20年前から「着る予防医学」を訴え、製品の製造・販売と情報発信を続けている。
松成紀公子社長(49)は「日焼けしすぎることの問題を知ってもらい、エビデンス(根拠)で裏付けられた妥協のないUVカット製品を届けていきたい」と話す。
■きっかけ
会社設立は2002年。当時1歳の息子がアトピー性皮膚炎と診断され、紫外線対策を勧められたことがきっかけだ。しかし、子供用のUV対策衣類が売っておらず、生地メーカーからも個人購入を断られたため、友人と2人で起業。子供用パーカーを作ると飛ぶように売れた。「情報や商品が十分になかった当時、困っている子供や母親が潜在的にたくさんいた」
母親たちが不安を抱きながら商品を探していることから「ママの商品も作って確かめてもらおう」と04年から女性用も販売。5年前からは男性用も手掛ける。
ウエアや帽子、手袋など約500種類の同社製品は全て、UVカット率91%以上が基準。素材はUVをはね返す酸化チタンを練り込んだ特殊繊維生地を使用。吹き付けなどの後加工ではないため、洗濯しても効果が落ちず、しかも肌触りがよく吸汗性もある。
汗をかきやすい脇部分はメッシュ素材にしたり、手の甲までカバーできるよう袖先に親指を通す穴を作ったりなど、悩みを解決する細やかな工夫も特徴。「デザインは機能性と考えて設計している」というように、両者を兼ね備えたものづくりにこだわる。
■本気の取り組み
昨年は皮膚がんの発症率が世界一で、UV対策先進国のオーストラリアを訪問し、原子力や放射線防護に関する政府検査機関「アルパンサ」に、日本企業では初めて検査を申請。世界レベルの安全性が証明され、企業認証を得た。
同社運営のサイト「紫外線.COM」では知見や豊富な情報も発信する。子どもの頃に大量の紫外線を浴びると将来の健康被害リスクが高まるといわれていることから、子ども向けの取り組みも開始。紫外線対策教育を日本で普及させたい考えだ。
本気度では他の追随を許さない。「UVケアにはどこよりも一生懸命取り組んでいる。『着る予防医学』を提案するブランドを国内外に発信していきたい」と力を込めた。