ベイシア、ブリヒラの販売開始 ブリのうまさとヒラマサの食感併せ持つ交雑魚、お造りや生寿司で提供
2019/07/03/00:00
県内で25店舗を展開するスーパー大手のベイシア(前橋市)は1日から、養殖用種苗生産技術で世界的な研究機関である近畿大学(大阪府)が開発した、ブリとヒラマサの交雑魚「ブリヒラ」の販売を始めた。ブリヒラはブリのうまみやヒラマサの歯応えの良さを併せ持つ魚で、全国のスーパーでベイシアが初。ほぼ全店で約1万5千尾分を販売する。
ブリヒラは、ブリの雌とヒラマサの雄の交雑魚として近畿大学水産研究所が1970年に開発した。近大産のブリヒラの人工種苗を国内の養殖業者が育て、水産加工業の食縁(和歌山県)が生け締めしてフィレ加工したものを販売する。
夏場のブリは身が柔らかく赤身の色も変わりやすい。一方でヒラマサは赤身の少なさと身の程よい硬さが特徴で夏季が旬で知られる。2種を交雑することで夏でもブリのうまさとヒラマサの食感が味わえる魚の提供が可能になったという。お造り(税別398円)や生寿司で販売し、売り切れ次第終了となる。
食縁は近大のベンチャー企業「アーマリン近大」の出資と支援を受ける企業で、2013年5月に設立。近大世界経済研究所の有路昌彦教授が社長を務める。
ベイシアは同社と17年12月、完全養殖魚の販売による持続可能な社会への貢献を図ろうと「持続可能な養殖水産物の普及に関する協定」を締結。協定を基に近大が開発した餌などを工夫し魚臭さを低減した養殖魚「近大支援ブリ」などの販売を推進している。ブリヒラの販売を通じ、養殖水産物の普及を図りつつ、持続可能な食材の提供も促進する。