<参院選>激戦予想される埼玉選挙区、4議席巡り各党の戦略は 自公で2議席確保、残りを野党奪い合いか
令和初の国政選挙となる第25回参院選は4日公示され、21日投開票に向けて本格的に論戦がスタートする。
公選法改正で埼玉選挙区は今回から改選数が3から4に増え、現在までに自民党と公明党の現職2人と、立憲民主党、国民民主党、共産党、日本維新の会、諸派の新人7人の計9人が立候補を予定。6年半続く安倍政権の評価や憲法改正、消費増税の是非、年金問題などを争点に、激戦が予想される。
過去3回の参院選埼玉選挙区を振り返ると、自民、公明、旧民進(旧民主)を軸とした議席争いが続いている。与党の自民・公明は計約125万~約160万票を集め、2議席を確保している。今回も手堅く自公で2議席を狙う方針で、残りの2議席を野党が奪い合うとの見方が強い。
3選を狙う自民現職の古川俊治氏(56)は「参院選と知事選の両方に勝ってこそ意味がある」と、知事選に弾みがつくような選挙戦を意識。6年前は100万票超えで圧勝したが、新藤義孝県連会長(衆院議員)は「過去の得票や党の支持率は一切意味がない。自公2議席確保へ全力で臨む」と気を引き締める。
自民から推薦を受け再選を狙う公明現職の矢倉克夫氏(44)は、「厳しい戦いになると覚悟しているが、前回(約60万票)と同じぐらいの票は取りたい」と意気込む。西田実仁県本部代表(参院議員)は「かつてない勢いで激戦を突破したい」と力を込める。
立民新人の熊谷裕人氏(57)は「他人の声に耳を貸さない政治を変えていかなければならない」と安倍政権を批判。枝野幸男党代表(衆院議員)は「熊谷さんには大きなハードルを乗り越えてもらわなければならない」と地元の埼玉選挙区で必勝を期す。
国民新人の宍戸千絵氏(41)は介護経験や官民での勤務経験を通じて「女性や若い世代の視点を取り入れて、政治を変えたい」と意気込む。大島敦県連代表(衆院議員)は「ずっと運動をしてきて共感を得ている」と議席獲得にまい進する。玉木雄一郎党代表も県内入りする予定。
共産新人の伊藤岳氏(59)は消費増税阻止や老人ホーム増設など福祉拡充を掲げる。共産党県委員会の荻原初男委員長が「これまでにない力の入れよう」と言う通り、志位和夫委員長や小池晃書記局長が数回県入りする「総力戦」で21年ぶりの埼玉選挙区議席獲得を目指す。
維新新人の沢田良氏(39)は「維新か既存野党か、選択を」と訴え、消費増税凍結、改憲議論推進などの方針を打ち出す。与党と積極的に対話する「与党でも野党でもない、ゆ党」のスタイルで他政党との違いをアピールし、しがらみを嫌う若者層や無党派層の取り込みを狙う。
ほかに幸福実現党新人の小島一郎氏(48)、NHKから国民を守る党新人の佐藤恵理子(えりぃ)氏(33)、安楽死制度を考える会新人の鮫島良司氏(64)が準備を進める。
■埼玉選挙区立候補予定者(3日現在)
古川 俊治56(2)自民 現 医師
矢倉 克夫44(1)公明 現 党県本部副代表
熊谷 裕人57 立民 新 政党役員
宍戸 千絵41 国民 新 政党役員
伊藤 岳 59 共産 新 党県民運動委員長
沢田 良 39 日維 新 県総支部幹事長
小島 一郎48 諸派 新 党県本部代表
佐藤恵理子33 諸派 新 タレント
鮫島 良司64 諸派 新 会社員