<所沢中2殺害>20回つねられた…逮捕の少年、2日後に「大丈夫」 生徒と先生の信頼関係に疑問も
所沢市の住宅で市立中学2年の本郷功太郎さん(13)が同級生の少年(14)に刃物で刺されて殺害された事件で、2人が通っていた中学校は9日夜、同校で臨時保護者会を開いた。所沢市教育委員会は保護者会終了後に取材に応じ、少年から「5月中旬以降、(本郷さんに)腕を20回ほどつねられている」と担任に相談があったことを明らかにした。市教委はこの行為がいじめに当たるかなどを、第三者委員会を設置して調査する方針。
市教委によると、相談があったのは6月上旬。本郷さんと別の生徒との人間関係の相談があったことから事実を確認するため担任が複数の生徒から聞き取りを行った。その中で少年から「20回ほどつねられた」と相談があったが「(本郷さんには)言わないでほしい」とも言ったという。
担任が「言わなければなくならないよ」と伝えたが、少年は「今週もう1回やってきたら言ってください」と話し、何かあった際に必ず言うということを確認した。2日後、担任が確認したところ、少年は「(本郷さんから)もうやらないと言われたので大丈夫です。仲良くなってきました」と話したため、その後は見守り活動を続けていた。
6日に行われた記者会見では2人が通う中学校の校長は2人に関して「大きなトラブルはなかった」としていたが、8日の会見で市教委は「全く何もなかったということではく、2人の関係性の中で何かがあったことについては学校と市教委は把握していた」としていた。
臨時保護者会には約600人が出席。校長から現在学校が把握している内容や、8日以降の学校の対応について説明した。またアンケートの結果を受けて行われた面談はスクールカウンセラーや心理士など8人態勢で行われたことなどが報告された。
保護者から「先生方は子どもと信頼関係があると思っているのか。子どもの話を聞くとそうではないこともある」「今回のことで何か兆候はなかったのか。様子を見る段階で気を付けることはできなかったのか」などの意見が寄せられたという。