埼玉新聞

 

無我夢中…偶然見つけた女性宅の炎、慌てて近隣住民らバケツ持って集合 女性救った「顔なじみ」のすごさ

  • 感謝状贈呈式に出席した4人(前列)=9日午前、草加消防署

    感謝状贈呈式に出席した4人(前列)=9日午前、草加消防署

  • 感謝状贈呈式に出席した4人(前列)=9日午前、草加消防署

 近隣住民が協力し初期消火を行ったとして、草加消防署は9日、草加市新栄町に住む5人に感謝状を贈呈した。

 表彰されたのは井上恵美子さん(60)、近藤進さん(77)、関根節子さん(76)、鈴木寛和さん(66)と鈴木亮太さん(35)。

 同署によると、火災は1月28日午後0時半ごろ、同市新栄町の木造2階建て住宅で発生。この家には3人が住み、出火当時は60代女性が2階に在宅中だった。隣に住む鈴木亮太さんが炎を確認し、近所へ通報。慌てて集まった近隣住民が女性を救助し、各自で持ち寄った消火器やバケツ、ホースなどで消火に当たった。

 消防隊が到着時は既に火も収まり、60代女性も軽症で済んだという。土曜日の昼時間帯で多くの人が在宅しており、被害も最小限に抑えられた。

 贈呈式には4人が出席した。冨田忠彦消防長は「皆さんの連携による迅速な初期消火で大火に至らず済んだ。消防職員全員で感謝したい」と5人の勇気ある行動をたたえた。

 「感謝状をいただき本当に光栄。当時は無我夢中だった」と振り返る鈴木寛和さん。井上さんは「近所の力を感じた」、近藤さんも「顔なじみの関係だから協力できた。今以上につきあいを大事にしたい」と近所付き合いの大切さを実感していた。関根さんは「火災はいつ起きるか分からない。今回を機に訓練にも取り組んでいきたい」と話していた。
 

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