来たれ「パイオニア」…教員免許なしでも採用、特別免許状を授与 さいたま市教委、来月から願書受け付け
埼玉県のさいたま市教育委員会は、2024年度の市立学校教員採用選考試験から、教員免許を持たない社会人を対象とした「パイオニア特別選考」を新設する。受験しやすい制度によって、市教委は「市教育の特色に合った優秀な人材を確保していきたい」としている。県教委も24年度採用試験から同様の制度を導入する。
パイオニア特別選考は教員普通免許状を所有しておらず、大学や企業、研究機関などで研究、開発、調査などに関する勤務経験が3年以上ある人、受験する教科の分野で高度な専門的知識や経験、技能を有する人が対象。プログラミング教育などを想定している。市教委が合格後に特別免許状を授与する。授与されないと決定した場合、教員免許取得の猶予期間として、最大2年間採用を延長する。
また、特別支援教育担当教員の受験資格を拡大するため、特別支援学校教諭免許状の所有や勤務経験の要件を廃止する。廃止する一方で、複数の教員免許状を有している人に加点する制度を設ける。
市教委によると、教員の大量退職や児童生徒数が増加していることから、採用見込み数は計400人程度で過去最高となる。小学校教員200人程度(前年度比50人増)、中学校・高校・中等教育学校教員100人程度(同20人増)、特別支援教育担当教員70人程度(同20人増)、養護教員15人程度(同9人増)、栄養教員15人程度(同9人増)。23年度は1101人が受験して366人が合格し、倍率は3・0倍だった。パイオニア選考は小中高校が対象で、採用見込み数は定めていない。
細田真由美教育長は20日の定例会見で、パイオニア特別選考について「大学や企業など、さまざまな経験を積み、多様性の富んだ先生が教壇に立つことを期待している。全ての教科が対象で、多くの人にチャレンジしてほしい」と話している。
市立学校教員採用選考試験の1次試験を7月9日に実施する。4月に複数回の説明会を開催し、4月7日~5月8日に願書を受け付ける。
問い合わせは、市教委教職員人事課(電話048・829・1653)へ。