<高校野球>花咲徳栄、強さの神髄は抜け目ない攻撃 継投策ものともせず、対応力の高さ示す打線
そつない攻撃で得点した花咲徳栄が、山村国際にコールド勝ちした。花咲徳栄は一回、先頭の池田が敵失で出塁すると、安打と犠打で1死二、三塁とし、4番井上が先制の2点左前適時打を放つなど3得点。二、四、五回にも追加点を挙げ、守っては高森、和田の継投で無失点に封じた。山村国際は左右4投手を繰り出したが、花咲徳栄打線に対応された。
■豊富な投手陣、初回からたたく
花咲徳栄の強さの神髄は、抜け目ない攻撃にある。5年連続の甲子園を目指す王者が、初めて8強入りした山村国際に11―0の五回コールドで完勝。岩井監督は「相手は投手陣が豊富だから、初回からたたきたかった」と納得の表情だった。
3点を奪った一回の攻撃は見事だ。先頭の池田が敵失で出塁すると、2番橋本吏が中前打。3番韮沢が犠打を決めて1死二、三塁の好機を築き、4番井上は「自分なりのバッティングができた」と、甘い直球を左前へ先制の2点適時打。さらに、2死から田村の右前適時打で1点を加えた。
この回の4安打は、いずれもシングルヒット。岩井監督は「低く強い打球を打ってくれた」と、相手のミスに乗じ鋭くコンパクトなスイングでつないだ打線を褒める。
二回には、山村国際の先発右腕森田、2番手の左腕飯塚を攻めて2点を追加。重盗を含む3盗塁で揺さぶったのが効果的だった。「相手投手が目いっぱいだったから」と、岩井監督は機動力も活用。二盗、三盗を決めた橋本吏は、「走塁はたくさん練習してきたので自信がある」と胸を張った。
四回には4点、五回にも2点を奪い、三回を除く全イニングで得点。左右の4投手を小刻みにつないだ山村国際の継投策をものともせず、打線は対応力の高さも示した。四回に右越え2点二塁打を放った7番田村は、「変化球に的を絞って打てた」とうなずく。
準決勝では、秋春の県大会覇者で今春の選抜大会に出場した春日部共栄と激突する。「(春日部共栄の)村田投手をどう打ち崩すかがポイント」と岩井監督。確かな手応えを得て、大一番に臨む。