埼玉新聞

 

<高校野球>花咲徳栄がV5王手 先制ホームランで春日部共栄に焦り、球威落ちた終盤に突き放す

  • 春日部共栄―花咲徳栄 8回表花咲徳栄2死一、三塁、吉倉(中央)が勝ち越しの内野安打を放ち、ガッツポーズ=県営大宮

 (埼玉大会準決勝=27日・県営大宮)

花咲徳栄

400 000 012|7

011 110 000|4

春日部共栄

 花咲徳栄が春日部共栄の先発村田を立ち上がりから攻め立て、球威の落ちた終盤に突き放した。一回に1番池田の右越え本塁打で先制するなど一挙4得点。4―4の八回に代打吉倉の適時内野安打で勝ち越し、九回にも井上と田村の適時打で2点を加えた。

 春日部共栄は五回に4―4とし、なおも2死一、二塁から石崎の右前打で二塁走者平尾が本塁を狙ったが、勝ち越せなかった。

■好球必打 勝機手に

 目の覚めるような先制攻撃だった。花咲徳栄が一回に4安打で一挙4得点。自慢の強力な打線で春日部共栄の好右腕村田を攻め立てた。

 先頭で打席に入った池田は1球目のストライク球を見送ると、2球目の甘く入ってきた高め真っすぐを強振。思い切り引っ張った打球は右翼席へ飛び込んだ。この一発が、今大会一度も先制されていない春日部共栄の焦りを誘った。

 死球と安打で無死一、三塁とし、井上の内野ゴロの間に2点目。さらに1死一塁で羽佐田が「変化球を狙っていたら、スライダーが浮いてきた」と、左翼手の頭を越す二塁打を放ち、野手がもたつく間に一塁走者が生還。「制球がいい投手だが、甘い球は必ずある」と羽佐田は的を絞り、好球を一発で仕留めた。

「村田投手を攻略するには立ち上がりと、疲れが見えてきた終盤しかない。そこにしか勝機はないと思っていた」と岩井監督。ポイントの一つに挙げた一回に4点を先取すると、同点にされた八回に代打吉倉が内野安打で勝ち越し、九回には井上と田村の適時打で加点した。終盤に築いた好機も着実に得点に結び付けた。

 相手投手のデータや配球を考えて、打つべき球を見定めた。「狙い球は自分たちで考える」という7番田村は、準々決勝までの5試合で打率7割3分3厘の高打率で、準決勝でも3安打1打点と大活躍した。

昨夏、県内史上初の4連覇を達成し、記録更新が懸かる。1年生の夏からメンバー入りしている韮沢は「過去2度の決勝もそうだったが、最後は意地とプライドと執念。苦しい戦いになると思うが、自分たちの野球ができれば勝てる」と、力を込めた。

ツイート シェア シェア