埼玉新聞

 

埼玉の地名の由来ひもとく 「地名は語る」書籍化 23町村、秩父、さいたまの地名紹介

  • 出版された「地名は語る 埼玉の歴史と伝承」

 埼玉新聞で2015年から連載している企画「地名は語る」を1冊にまとめた書籍「地名は語る 埼玉の歴史と伝承」(埼玉新聞社発行)が26日出版された。県内23町村と秩父市、さいたま市の地名の由来をひもといている。先人が地名に込めた思いをたどりながら、地域おこしに役立つ知恵やヒントが詰まっている。

 200ページの書籍は本紙地域面に連載中の「地名は語る 埼玉の歴史と伝承」の16年2月までの記事を一部加筆、修正して掲載している。第1部は18町、第2部は秩父地方の町村と秩父市、第3部はさいたま市10行政区の歴史や文化などについて紹介している。著者は埼玉新聞特別編集委員の5人。

 例えば難読地名のひとつ「越生町」の名の由来は諸説ある。町内を流れる越辺川の「おっぺ」はアイヌ語で「豊かな川」、古朝鮮語では「布地」を意味する。この「越辺」から「生越」、「越生」へと転じたともいわれている。鎌倉時代に越生姓を名乗る武士団の本拠地だったことに由来するとの見方もあるという。

 執筆陣は5人とも70歳以上。「取材を通じて、新たな発見が多かった。豊かな風土に恵まれた埼玉愛を改めて痛感した」と述べている。新聞連載だけにコンパクトな文章で、中高生が地名辞典として活用するのもお薦めという。

 秩父市とさいたま市を除いた県内38市の地名の由来については18年7月から火曜付の本紙に連載している。

 税別900円。問い合わせは、埼玉新聞社(電話048・795・9936=出版担当)へ。

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