埼玉新聞

 

異常事態…多くのトイレ使用できず、復帰のめど立たない久喜市役所 排水管が詰まった原因は謎、漏水も

  • 【役所】久喜市役所=埼玉県久喜市下早見

    多くのトイレ使用できない久喜市役所=埼玉県久喜市下早見

  • 【役所】久喜市役所=埼玉県久喜市下早見

 久喜市役所本庁舎(埼玉県久喜市下早見)で18カ所あるうちの15カ所のトイレが使用できず、市は仮設トイレを設置、近くの隣接する文書館、市総合文化会館、県立図書館の使用を呼びかけている。

 市は3月1~10日にかけて、トイレの排水管でつまりを確認。一部漏水も見つかったことから、影響のあるトイレ15カ所の使用を禁止した。職員は庁舎内の残りの8カ所と仮設トイレ10基を設置し使用している。トイレの詰まりは原因が特定できず、復帰のめどは立っていない。

 本庁舎は1980年に完成。これまでトイレの排水管について大規模な工事は行っていないという。市は同敷地内に本庁舎を増築する計画があるが、本庁舎は今後も使用する計画。トイレも修繕し使用するとしている。

■1年前に久喜市、本庁舎移転を撤回していた 以下は当時の記事

 久喜市は2022年2月6日、公共施設の老朽化に伴う公共施設個別施設計画を見直すと発表した。市庁舎建て替えに向けた計画や、障害者福祉施設の民間譲渡に向けた計画を撤回する。同日開かれた市議会代表質問の答弁で梅田修一市長が「市民を分断することがあってはならない」と述べた。

 市は昨年3月、公共施設の老朽化に伴い公共施設個別施設計画を策定。その中で市役所を含む新複合施設新設、障害者福祉施設の民間譲渡、集会所の地元譲渡などを盛り込んでいた。

 市は「耐震工事を終えた現在の庁舎を使うべき」「民間譲渡でサービスの低下が不安」とする議会や施設利用者からの批判を受け、新複合施設新設を取りやめ、現在の市役所本庁舎を引き続き使用することなどを明らかにした。障害者福祉施設5施設は民間譲渡を取りやめ、指定管理による運営を継続する。地元に譲渡する計画だった集会所など5施設も市により維持管理を続ける。

 今後の公共施設計画について市は「必要な手続きを踏まえ、再検討したい」としている。

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