やなせたかしさんデザインのキャラも登場 見て・触れて、中華まんを体感 入間に見学施設、25日オープン
中華まんの工場見学施設「中華まんミュージアム」が、入間市狭山台の中村屋武蔵工場内に25日オープンする。パネル展示やゲームなどを通じ、見て・聴いて・触れて・味わう体感型の見学ツアーが楽しめる。中華まんの奥深さに触れる見学施設は全国初。
ガラス張りの開放的な吹き抜けエントランスから、巨大な中華まんオブジェが目に飛び込んでくる。その真っ白な「中華まん」に腰を掛けたり、一緒に記念撮影してみたくなるスポットだ。いきなり来館者の期待を高めてくれる。
■90分間のツアー
館内シアターに案内され、映像から食品メーカー中村屋の歴史、中華まんの製造工程、見学の流れを把握する。アンパンマンの原作者で漫画家やなせたかしさんがデザインした中華まんキャラクター「ニック」と「アン」がスクリーンに登場し約5分間、子どもでも楽しく時間を過ごせる。
いよいよ工場見学。案内役のお姉さんの先導で出発する。原材料から具・生地の作り方、具の包み方まで、ガイドや展示物から理解していく。生地の柔らかさを体感できる模型があったり、途中4カ所に設置されたモニターから映像で製造の様子を分かりやすく教えてくれる。
もちろん実際の製造ラインをガラス越しに見学でき、中華まんができるまで順を追って学べる。全長約400メートルの見学コースは見応えたっぷり。 工場見学後は「おいしさゾーン」へ。中華まんの具材や手包み感を、パズルやタッチモニターゲームで遊びながら理解できる。お絵描きしたオリジナル中華まんをスキャンし、大画面に投影する壁面メディアアートも体験できる。最後に、せいろで蒸したふかふかの肉まんをキッチンルームで試食。約90分の見学ツアーは時間を忘れ、満喫できる。
■目標来館者9千人
14日にあった報道関係者向け内覧会で、中村屋の鈴木達也社長は「当施設で中華まんの中村屋を知っていただき、中村屋に親密感を持ってほしい」と強調した。年間6千人、取引先関係を含めると9千人の来館者数を目指すという。
同社は、2015年に閉校した旧大妻女子大学狭山台校の跡地約8万3千平方メートルを取得。約100億円を投じて18年7月、1日40万個の生産能力を持つ、中華まん専用の武蔵工場を跡地に完成させた。
同社によると、中華まんじゅう類の市場規模は670億円(17年度)で拡大傾向。好況な中華まんをテーマにしたミュージアムを設け、ブランド力や企業イメージの向上につなげたい考え。工場見学施設「グリコピア・イースト」(北本市)など昨今の工場見学人気の高まりも背景にある。
内覧会には近くの入間市立狭山小学校の児童や保護者ら約20人も参加した。4年生の松浦龍君(10)は「工場見学だけでなく、中華まんのゲームまであって楽しい。今度中華まんを食べるとき、今日のことを思い出すと思う」と、ご機嫌だった。
【メモ】中華まんミュージアムは完全予約制。個人(9人以下)はウェブから、団体(10人以上)は電話で予約受け付け。見学は1日2回((1)午前10時(2)午後2時、所要時間約90分間)。各回20人。見学無料。休館日は水・木曜日、工場休業期間(5~8月中旬予定)、年末年始。問い合わせは同施設(電話04・2935・1592=オープン前は正午まで)。