上尾市議会に百条委、全会一致で可決 元市長の所有地、全額公費で工事していた問題で設置
2019/08/10/00:00
上尾市が新井弘治元市長の所有地のブロック塀などを全額公費で撤去・新設工事していた問題で、市議会は9日、臨時会を開き、地方自治法第100条の規定に基づく調査特別委員会(百条委)の設置を全会一致で可決した。上尾市で設置されるのは1973年以来。
市によると、市は昨年、新井元市長と前議長の小林守利議員の要請で、ブロック塀などの工事費を負担。指名競争入札を避けるため、7件の随意契約に分割して小林議員の長男が経営する建設会社「美創建業」に発注した。
小林議員は6月に議長を辞任。先月行われた全員協議会では「不当な働き掛けをしたことはない」と主張した。また新井元市長は工事費全額(約693万円)を市に返還。埼玉新聞の取材に対し、「私は一回も市に(工事を)頼んだことはない。弁護士は返済の必要はないといったが、せがれ(新井金作議員)もお世話になっているので、お金のことでとやかく言われたくないから返した」と説明している。
百条委員会は強い調査権を持ち、調査対象の関係者を証人喚問したり、証拠や記録の提出を求めることができる。
構成メンバーは市議会会派彩の会3、公明2、上尾政策フォーラム2、共産2、無会派1の計10人。この日は第1回委員会を開き、正副委員長を選出した。11月に市議選を控えており、約3カ月の審議となる。
委員長に選ばれた大室尚市議は「限られた時間の中で集中して精査するつもり。質問を整理して事実確認していく。一日も早く真相を究明して市民の皆さんに報告できるようにしたい」と話した。
市も調査委員会を立ち上げており、9月議会で結果を報告する予定。