ふるさと納税、埼玉県は件数減も受入額は増加 最多は秩父市、イチローズモルトやゴルフ用品などが人気
総務省は、ふるさと納税による2018年度の寄付総額が前年度の約1・4倍の5127億円となり、6年連続で過去最多を更新したと発表した。寄付件数も最多で、1・3倍の2322万件となった。返礼品を寄付額の30%以下の地場産品に規制する新制度の実施を今年6月に控えていたため、高額の返礼を目当てにした駆け込みで増加した。埼玉県は受け入れ件数は減ったものの、受入額は増加した。
埼玉県は、ふるさと納税の2018年度の受入件数が8万1247件で前年度に比べて7・9%減少した一方、受入額は23億7200万円で4・8%増加した。
県市町村課によると、寄付額が最も多かったのは秩父市で3億8231万3千円(受入件数4099件)。前年度の1億4693億6千円(同1925件)に比べて2・6倍(受入件数は2・1倍)に増えた。次いで深谷市2億7753万3千円(同1722件)、飯能市2億2937万1千円(同8597件)と続いた。
増えた要因として、秩父市財政課は「ふるさと納税のポータルサイトについて、従来は『わが街ふるさと納税』だけだったが、新たに利用者の多い『楽天ふるさと納税』を導入したことで、寄付を希望する方の目に触れる機会が増えた」とみる。中でもウイスキーのイチローズモルトやゴルフ用品、羽毛布団などが人気という。
一方、寄付額が最も少なかったのは滑川町で2万5千円(同3件)。次いで吉見町21万7千円(同10件)、東秩父村95万2千円(同33件)の順だった。寄付した人は翌年度に居住地に納める住民税が軽減されるが、19年度の減収額が最も多いのは、さいたま市で41億2200万円。全国の自治体でも8番目に多かった。
今年6月からは、返礼品を寄付額の30%以下に規制する新制度が実施されている。埼玉県の19年度の見通しについて、同課は「寄付額の30%を超える返礼品を扱っている例はないので、影響は少ないのではないか」とみている。