埼玉新聞

 

札束が客のバッグに…郵便局員が機転、通報して詐欺から客守る 大宮西署が感謝状 6年前も客守る

  • 左から大宮清河寺郵便局の嶋村馨局長(指扇駅前郵便局局長の代理出席)、吉田裕俊さん、小川実署長=20日午後、大宮西署

 振り込め詐欺を未然に防止したとして、大宮西署は20日、指扇駅前郵便局と同課長代理の吉田裕俊さん(33)に感謝状を贈った。

 吉田さんは7月26日、同局を訪れたさいたま市西区の70代女性から現金40万円の払い戻し依頼を受けた際、女性のバッグから数十万の札束が見え、さらにかかってきた電話に慌てて対応している様子から振り込め詐欺を疑い、警察に通報し未然に防いだ。

 大宮西署によると、女性が電話対応していた相手は、息子を名乗る男。「副業で浄水器販売をしていて、損失を出したから100万円が必要」などという内容だった。女性は郵便局に立ち寄る前に、他の金融機関で50万円ほど引き出し、バッグの中に入れていた。

 吉田さんは、6年ほど前にも振り込め詐欺を未然に防いだとして、同署から感謝状を受け取っている。「これからも、お客様のお金を守るために、誠実な対応を心掛けたい」と笑顔で話した。

 小川実署長は「金融機関の方から通報をいただけないと、特殊詐欺を水際で防止するのは難しい。最後のとりでともいえる吉田さんを力強く感じる」と感謝した。

 同署管内の今年1月~7月末までの特殊詐欺被害件数は11件。前年同期比で4件減少している。

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