埼玉新聞

 

<知事選>今のままでは小さな埼玉に…青島氏が落選、政策浸透し切れず 自民幹部ら応援も与野党対決敗れる

  • 支援への感謝を述べる青島健太氏=25日午後10時32分ごろ、さいたま市浦和区高砂の選挙事務所

 25日に投開票された知事選は、野党4党の県組織が支援する前参院議員大野元裕氏(55)が、自民、公明両党が推薦するスポーツライター青島健太氏(61)ら新人4人を下して初当選した。上田県政の「継続」を訴えた大野氏が、事実上の与野党対決を制した。政策通として知られ、上田知事の全面支援を受けた大野氏。県民の負託を受けて新時代を担うことになった。

■「県政刷新」及ばず 自公支援も接戦で苦杯

 県政の刷新を訴えた青島健太氏だったが接戦を制しきれず、苦杯を喫した。さいたま市浦和区の青島氏の選挙事務所に落選の報が入ると、駆け付けた支持者は一様に信じられないといった表情を見せ、青島氏は「力強くサポートしていただいた方々、全ての方々の期待にお応えすることができなかったことをおわびします」と敗戦の弁を述べた。

 選挙戦では現在の県政からの転換を訴え「埼玉を変える、私はその先頭に立たせていただきたい」と呼び掛けた。政策は「子どもたちの将来を最優先で考える県政」、インフラ整備を含めた「強靭(きょうじん)な県土づくり」「スポーツ振興と健康づくり」といった主要政策を打ち出したが、浸透し切れなかった。

 無所属ながらも自民、公民の推薦を受け、遊説では県内選出の自公の衆参院議員、県議、市議らがサポート。自民党幹部も応援に駆け付けた。

 選挙戦最終日の24日夜に大宮駅西口で行われた打ち上げ式では「今のままを継続しても、今のままの小さな埼玉が出来上がってしまうだけ」と現在の県政からの脱却を強く訴えた。

 「選挙の向こう側に新しい埼玉を。これからの埼玉の新たなストーリーとデザインを私に描かせてほしい」と呼び掛けたが、事実上の与野党対決に接戦で敗れた。

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