日本初の女医・荻野吟子の映画「一粒の麦 荻野吟子の生涯」、熊谷で先行上映 ロケマップ1万部を無料配布
日本初の女医で熊谷市出身の荻野吟子(1851~1913)を描いた映画「一粒の麦 荻野吟子の生涯」(山田火砂子監督)の公開に先立ち、市内の妻沼中央公民館大ホールで9月1日、先行上映会が行われる。
映画には熊谷を中心に県北地域の風景も多く登場。妻沼地域の観光ボランティア団体「阿うんの会」は映画のロケマップを作成、1万部発行して上映会の会場などで無料配布する。
映画は、男尊女卑の時代に公許女医第1号として活躍した吟子の一生を通じ、不屈の精神や深い愛を感じてもらおうと企画された。吟子役を若村真由美さん、夫でキリスト教伝道師の志方之善役を山本耕史さんが熱演。10月26日から、熊谷市の熊谷シネティアラ21などで公開される。
撮影は4月13日~5月8日に行われ、熊谷市の児童ら市民もエキストラとして出演している。ロケマップでは、熊谷市の荻野吟子記念館や妻沼聖天山、深谷市の深谷商業高校など県内を中心に13カ所を写真付きで紹介。各シーンの解説や撮影時のエピソードを盛り込み、B4判4ページにまとめた。
同会は今年4月から記念館の指定管理者になり、映画製作にも協力。メンバーの江田一二三さん(67)が中心となって4月から4カ月かけてロケマップを完成させた。
「たくさんの人にロケ地を訪れてもらい、妻沼地域が盛り上がるきっかけになれば」と江田さん。会長の増田哲也さん(73)も「映画を通じて、郷土の偉人を広く知ってもらいたい」と期待を寄せる。
妻沼中央公民館での先行上映会は午前10時半と午後2時の2回。山田監督らが舞台あいさつする。チケットは一般が前売り1400円、当日1800円、小中学生はいずれも500円。当日はロケ地の一つで国登録文化財の坂田医院旧診療所も一般公開され、見学できる。
先行上映会の問い合わせは、現代ぷろだくしょん(電話03・5332・3991)、ロケマップの問い合わせは、荻野吟子記念館(電話048・589・4740)へ。