埼玉で拾われた現金14億2千万円超…昨年1年で 拾得届が増 レイクタウン、ららぽ、イオン、鉄道も膨大な数
2022年の1年間に埼玉県警に寄せられた拾得届は前年比9万5961件(12・4%)増の87万980件だったことが、6日までに県警のまとめで分かった。遺失届は1万2168件(7・3%)多い17万9110件。いずれも新型コロナウイルスのまん延により19~20年には減少したが再び増加傾向となっている。県警会計課は「公共交通機関や大型商業施設で拾得届が増加している。行動制限が緩和され、外出機会が増えたことが要因の一つと考えられる」と分析する。
同課によると、拾得届のうち、鉄道会社や大規模店舗など施設占有者からの届け出が73万2579件で約84・1%を占める。特に大型商業施設は多い順に「イオンレイクタウンkaze」が1万1781件、「ららぽーと新三郷」が1万1643件、「イオンモール川口」が1万315件となった。
拾得届のうち物品は165万8086点で、傘類が8万2059点で最も多く財布類が4万9913点、鍵類が3万9712点で続く。現金は10億9590万4757円。遺失届のうち物品は56万4926点。財布類が最多の4万702点で、鍵類が2万8901点、携帯電話類が2万7005点で、現金が14億2396万5254円だった。
1日当たりの拾得届は約2386件、遺失届は約491件となっている。
県警遺失物コールセンターが昨年1年間に遺失物などの問い合わせを受けた件数は5万6135件で、「なくした物が拾われているか」などの検索が約6割を占めた。実際にコールセンターで受理した遺失届は7031件で全体の届出の3・9%だった。
コールセンターは19年5月、県警本部に設置され、届け出の多い大宮、川口など6署で運用を始めた。徐々に対象の署を増やし、21年5月から県内全39署に拡大。同年10月には、センターの専用電話(電話048・832・1429)を開設した。それまでは各署からセンターに電話を転送していたが、専用電話ができたことで署を通さずに直接通話でき、利用者の時間短縮とともに署の業務負担の軽減につながった。
同課は、遺失物や拾得物の取り扱い件数が今後も増加することが見込まれると指摘した上で「特に毎年、財布の遺失届が多くなっているので十分気を付けて、物をなくした場合は警察署や交番へ届け出してほしい。また、電子申請でも届け出できるので利用してほしい」と呼びかけている。