埼玉が全国トップ、昨年の“本社移転”ランク 築かれた絶対的優位 過去10年では全国2位、ちなみに1位は
帝国データバンク大宮支店は2013年から22年までの10年間に、都道府県をまたぐ本社移転を行った企業の調査結果をまとめた。都道府県別で見た埼玉県の転入超過数は568社で全国2位、22年単年で見ると転入超過は68社で全国1位だった。
同社が保有する企業概要データベースから抽出して本社移転増減の都道具県別ランキングを作成。埼玉県の転入、転出企業数の推移および22年単年の転入元や転出先、業種、年商規模別の分析調査を行った。
調査によると13年から22年の10年間に他の都道府県から埼玉県に転入した企業は2121社、埼玉から転出した企業は1553社だった。転入超過は568社で、神奈川県(転入超過613社)に次いで全国2番目だった。22年単年は転入超過が68社(転入215社、転出147社)で、20年以来、2年ぶりの全国1位。2位は神奈川県(50社)、3位兵庫県(44社)、4位千葉県(34社)、5位群馬県(19社)だった。
22年に県内に転入した企業215社のうち、転入元の最多は東京都で183社。次いで千葉県8社、神奈川県5社、大阪府4社の順だった。転出した147社の転出先最多は東京都で104社。次いで千葉県10社、神奈川県8社、群馬県6社の順で、転入元、転出先とも圧倒的に東京都が多く、ほか、関東県内での移転が多かった。
22年の転入215社を業種別でみるとサービス業が最多の64社。以下、卸売業58社、建設業34社、製造業24社、小売業21社の順。転出147社は最多が建設業34社で以下、サービス業33社、卸売業30社、製造業23社、不動産業12社の順だった。
同支店担当者は県の現状を「人口や企業数が元々多いことに加え、交通インフラが充実し、都内に比べ地価が安い。自然災害も比較的少ないなど、企業誘致上のメリット、ポテンシャルの非常に高い県」と評価。一方で累計の転入超過数が埼玉を抜いて神奈川県が全国1位となったことについても触れ「企業誘致の動きは他の都道府県においても強力に推し進めている政策。競争が激化したことで以前のような絶対的優位といったポジションではなくなる可能性がある」とも指摘している。