<台風15号>やはりだめ…大宮駅で客ら足止め 避難情報の発信、最大9時間遅れ…原因はサーバー設定ミス
台風15号が関東地方に上陸した影響は9日朝、通学や通勤時間帯まで続き、埼玉県さいたま市大宮区の大宮駅では電車の運転再開を待つ利用客が改札前で足止めを受けた。
発車時刻が空欄のままの時刻表に運転見合わせを示す掲示板。多くの利用客が立ち止まって掲示板を確認し、近くの駅員に運転再開時間を聞く様子も。
さいたま市北区から会社のある水道橋に向かう途中という会社員女性(34)は「どの電車が動いているのかも分からない」と駅の掲示板と手元のスマートフォンの情報を見比べた。「都内まで出られても、その先の電車が動いてなければ会社まで行けない」と困った様子だった。
運行状況を駅員に問い合わせていた40代の会社員男性は、「再開時間は未定」と言われたという。「運休は午前8時ごろまでと聞いていたが、やはりだめだった。近くで時間をつぶしてから会社に向かいたい」と周辺の施設を探していた。
部活動のために登校中だった県立高校1年の女子生徒(15)も途方に暮れた。「部活動の開始時間が1時間遅れになったが、それでも間に合わない。発車時間も未定のままで困る。友人と合流してどうするか考えたい」と改札前で友人を待っていた。
■県防災メール、避難情報9時間遅れ
県は9日、台風15号に関する避難情報と避難所開設情報の発信がシステムの不具合により大幅に遅れたと発表した。避難情報は6市2町に最大で発令の9時間27分後に発信されたほか、避難所情報では開設時刻の14時間46分後に発信されるなど計19市9町の情報に影響が出た。
県消防防災課によると、発信が遅れたのは県防災情報メールや県ホームページ(HP)、アプリ(まいたま)、ツイッターによる避難・避難所情報。原因はサーバーの設定ミスという。市町村独自の防災メールや防災行政無線などの運用に支障はなかった。
8日午後8時半ごろ、同課職員が県HPに避難・避難所情報が載っていないことに気付き、県防災情報メールなどの保守管理を委託しているNTTデータ関西に連絡。
同社は手入力で情報を発信したが、同4時に発令された狭山市水富地区などの避難情報が9日午前1時27分に、8日午後2時に開設した行田市の避難所情報が9日午前4時46分に発信されたケースもあった。