県警の犯罪情報ツイッターとフェイスブック、イラスト効果で閲覧数2倍 アクション回数は63倍も増加
県民に防犯情報を発信する県警のツイッターとフェイスブック(FB)が昨年11月から、にぎやかになっている。見た人にポイントをより分かりやすく的確に伝えようと、イラスト付きの投稿が登場した。
絵の有無により閲覧数などにも大きく差が出ており、県警生活安全総務課は「文字だけでは見過ごされてしまうことがある。意図したことをイラストでしっかり伝えられるようになるのではないか」と防犯上の効果に期待している。
顔の見えない男に背後から抱きつかれる女性、不審な者から「俺だよ、俺」と電話を受ける高齢女性…。
県警が運用するツイッターとFBのアカウント「埼玉県警犯罪情報官」には昨年12月時点で、性犯罪、振り込め詐欺、空き巣やひったくりなど防犯を呼び掛ける投稿の内容によって13種類のイラストが添付されている。
絵を描いているのは、同課地域安全対策第1係の宮崎美沙紀さん(27)。県警内部で防犯用イラストを描ける職員を募集したところ選抜され、2016年4月から同課に配属されて絵を描いている。
これまでに各部門から依頼を受けて、パソコンで作成したイラストはおよそ100種類。会員制交流サイト(SNS)以外にも県警のチラシやミニ広報紙などに活用されている。
子どもの頃から絵を描くのが好きだったという宮崎さんは「一人でも多くの人に見てもらって犯罪抑止の一端を担えたらうれしい。今後も分かりやすいイラストを描いていけたら」と話す。
同課によると、犯罪情報を発信するツイッターは16年1月、FBは17年4月に開始。特に若い世代を中心にツイッターの利用者は多く、今年11月末時点のフォロワー数は約6万人。1~11月の発信件数は2882件となっている。
さらにイラスト付きと文字だけの投稿を抽出して比較してみたところ、閲覧数はおよそ2倍、クリックするなどしたアクション回数は63倍もの違いがあったという。
県警は今後も県民の安全安心を守るために、情報発信の在り方を改善、改良していくという。同課の井野信二次席は「どうすれば犯罪被害を防げるかが一番の課題。県警のツイッターやFBを活用して、被害に遭わないように気を付けてもらえれば」としている。