埼玉新聞

 

<小4ひき逃げ>30日に迫る時効、10年延長 県警、危険運転致死罪に変更 母親「1日でも早く逮捕を」

  • 現場で花を供える小関孝徳君の母親=熊谷市

  • 情報提供を求めて始めたブログ。切実な思いが記されている

 熊谷市で2009年に小学4年の小関孝徳君=当時(10)=が死亡した未解決のひき逃げ事件で、県警は18日、適用罪名を今月30日に公訴時効が迫っている自動車運転過失致死罪から、危険運転致死罪(いずれも当時)に変更して捜査を継続すると明らかにした。

 これにより時効が10年延長され、2029年9月30日午前0時となる。

 危険運転致死罪は飲酒運転や著しい信号無視、制御不能な高速度などで車を運転して人を死亡させた場合に適用される。県警交通捜査課は「検察庁と協議し、現場の状況などを詳細かつ総合的に検討した結果、危険運転致死罪の容疑が認められる」としている。適用罪名の変更は県警では初めてだという。

 事故は09年9月30日午後6時50分ごろ、熊谷市本石の市道で発生。孝徳君は書道教室から自転車で帰宅途中、車にはねられて死亡した。事件は16年に道交法違反(ひき逃げ)罪の時効が成立。自動車運転過失致死罪の時効が今月30日午前0時に迫っていた。

 母親はこれまで交通犯罪の時効撤廃などを訴える活動を展開。8月には時効撤廃を求める署名を法務省に提出し、今月10日には国会議員に面会して嘆願書を手渡していた。県警には適用罪名を危険運転致死罪とするよう要望していた。

 また、今年1月には県警が証拠品として保管していた孝徳君の腕時計を紛失したことが発覚。証拠品を押収した際に遺族に交付する文書が破棄されたり、書き換えられていた問題も明らかになった。

■「協力に感謝」母親がコメント

 母親は18日、「時効直前に罪名変更を許可してくれた県警をはじめ、法務省、交通安全議員連盟事務局、協力してくれた方々に感謝したい」とするコメントを出した。

 「県警には引き続き捜査をしてもらい、1日でも早く犯人を逮捕してもらいたい。孝徳をひいた犯人が複数台いる可能性もあり、未解決な部分も残っている。皆様からの情報提供の協力をお願いしたい」としている。

 母親はブログ「《未解決》熊谷市小4男児ひき逃げ事故!《時効まであとわずか》」で情報提供を呼び掛けている。

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