埼玉新聞

 

ゴミ、煙…トラブル続出で 「飯能河原」に有料化区域 BBQなど火気使用で1人千円 閉鎖、実証実験経て判断

  • バーベキューなどでの火気の使用を有料とする区域を設ける飯能河原=27日午前、埼玉県飯能市

    バーベキューなどでの火気の使用を有料とする区域を設ける飯能河原=27日午前、埼玉県飯能市

  • バーベキューなどでの火気の使用を有料とする区域を設ける飯能河原=27日午前、埼玉県飯能市

 埼玉県飯能市の奥むさし飯能観光協会は29日から、入間川沿いの行楽スポット「飯能河原」の一部にバーベキューなどの火気の使用を有料とする区域を設ける。2022年に市や同協会などが行った実証実験の結果を受け、周辺環境の維持の観点から「有料化が適切」と判断された。あらかじめ定められた日に火気を使用する場合、1人当たり千円の利用料が必要になる。

 有料化される区域は飯能河原の中州部分の下流側約6900平方メートル。利用料を徴収するスケジュールには、GW▽5~7月の土日祝日▽7月下旬~9月上旬の夏休み期間▽9月~11月第2週の土日休日―の計90日間程度を設定する予定。利用時間は午前9時~午後5時で、11月12日まで。

 有料化区域は地元産の木材「西川材」のフェンスで区切られる。専属スタッフが常駐し、受付や巡回に対応する。利用者は受付で人数分のリストバンドと、ごみ用の袋を受け取り、区域内でバーベキューを楽しむことができる。小学生以下の利用は無料となる。

 利用者の受け入れは原則として1日500人。混み具合などは交流サイト(SNS)で発信し、事前予約は不要としている。利用料は、ごみ処理費や河川環境の保全などに充てられる。

 飯能河原は古くから市民の憩いの場とされ、遠足のスポットとしても人気が高い。近年はバーベキューや川遊びが楽しめる場所として、市内外から行楽客が訪れる。

 一方でバーベキューに伴う煙やにおい、ごみの放置などのトラブルが発生。新型コロナウイルス感染拡大時は来訪者が集中するなどし、2021年8月の緊急事態宣言と併せて河原が閉鎖された。

 解除後の同10月からは、火気を用いた調理や飲食を伴う利用を「火気使用区域」に限定。22年のGWと夏休みの期間中には、火気の利用を有料とする実証実験を実施した。

 今回の有料化は市や同協会などで構成する「飯能河原利用調整協議会」が、実証実験の結果を踏まえ利用者の安全確保などの観点から判断。県が推進する「水辺空間とことん活用プロジェクト」として、同協会が事業に取り組むことになった。

 同協会の担当者は「21年のGWは、安心してバーベキューができるような場所ではなかった。ルールを守って楽しんでほしい」と話している。

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