埼玉新聞

 

<川口いじめ>同級生の父を告訴、不登校生徒と母をネットで中傷 中傷した2人は謝罪し和解、父は和解拒否

  • 中学校名を明記したネットの「掲示板」では虚偽の事実が匿名で大量に書き込まれた。写真は2017年10月の書き込み

 川口市立中学でいじめを受けて不登校になった元男子生徒(16)と母親が、インターネットの掲示板に誹謗(ひぼう)中傷を書き込まれたとして、侮辱の疑いで、同級生の父親を武南署に告訴し、受理されたことが24日までに分かった。受理は22日付。

 元生徒が学校にいじめ被害の改善を訴え不登校になっていた2017年10月、ネット上に実際の学校名の掲示板に、元生徒の実名を名指しし、母親らを誹謗中傷する記事が書き込まれた。

 元生徒側は昨年6月、通信会社3社に対し発信元の開示を求める裁判を起こし、東京地裁は昨年12月、プライバシーを侵害したとして開示を命じた。その後、発信元と判明した同級生の父親ら3人に謝罪を求め、これまでに2人は謝罪し和解した。

 残る1人の父親について損害賠償を求めた訴訟がさいたま地裁で継続している。父親は和解を希望していたが、一転して拒否する姿勢を示したことから、元生徒側は刑事告訴に踏み切った。

 元生徒の母親は「学校が保護者会などで正確なことを話し、ネット上で誹謗することをやめるよう注意喚起してくれていれば、このようなことにはならなかった」と話した。

 元生徒は15年に入学。サッカー部員のいじめや顧問による体罰について学校や市教委が適切な対応を怠ったとして、市を相手に損害賠償を求めて、さいたま地裁に提訴している。

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