埼玉新聞

 

<ラグビーW杯>熊谷ラグビー場で初開催、待ち望んだキックオフに大歓声 体ぶつかる音、テレビより迫力

  • 試合前に盛り上がるロシアのサポーター=24日午後、熊谷ラグビー場

 ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会第5日は24日、熊谷ラグビー場で1次リーグ1試合行われ、日本と同じA組のサモアがロシアに34―9で逆転勝ちし、白星スタートした。サモアは勝ち点5を獲得して、日本、アイルランドに並んだ。ロシアは2連敗で勝ち点0。

■"聖地"に大勢のファン

 埼玉から、世界のラグビータウンへ―。ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で、熊谷市上川上の熊谷ラグビー場の初めての試合となるロシア対サモア戦が24日、行われた。スタンドには国内外から大勢のファンが詰め掛け、両国の国旗やうちわを掲げて応援。「西の花園、東の熊谷」と並び称される"聖地"に、新たな歴史が刻まれた。

 「5、4、3、2、1…」。午後7時15分すぎ、キックオフとともに楕円(だえん)球が夜のスタジアムに舞い上がると、場内は大歓声に包まれた。当落線上とみられていた熊谷が開催地に選ばれて4年半。待ち望んでいた瞬間がついに訪れた。

 市内の公務員腰塚富之さん(50)は「W杯を開催するだけでもすごいのに、感動的な場面にも立ち会うことができた。熊谷に住んでいて良かった」と感激しきり。熊谷高校ラグビー部2年生の後藤雷汰さん(16)は「世界トップのプレーを間近で見られて、うれしい。自分も同じラグビー選手として、もっとうまくなりたい」と力を込める。

 熊谷市は熊谷開催の3試合に市内の小中学生約1万5千人を無料で招待し、この日は中学生と引率教諭を含め約4300人が観戦した。「体がぶつかる音とか、テレビで見るより迫力がある。めっちゃ面白い」。富士見中学校2年生の松井蒼晴さん(14)は興奮を隠さない。

 W杯の開催は熊谷の知名度向上にもつながる。同僚とともに初めて熊谷を訪れたという東京都港区の会社員堀江俊喜さん(34)は「きれいなスタジアムがあり、駅前には立派な像も立っている。ラグビーが盛んなまちだと伝わってきた」と感心した。

 熊谷ラグビー場と同じ熊谷スポーツ文化公園敷地内のくまがやドームには、県内自治体のPRブースなどが出展する「おもてなしエリア」が設置された。試合前に夫婦で立ち寄った福井市の小森秋浩さん(56)は「ゆるキャラやお祭りの山車も出ていて、にぎやか。埼玉を挙げて盛り上げようという気持ちを感じた」と満足げだった。

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