和光市元幹部、5回目の逮捕 市が預かったカードを不正使用、現金引き出した疑い 被害受けた市民は4人に
2019/09/27/00:00
和光市が高齢者から預かった現金をだまし取るなどしたとして元市幹部の男が逮捕された事件で、別の市民から市が預かったキャッシュカードを不正使用して現金480万円を引き出したとして、県警捜査2課と朝霞署は26日、窃盗の疑いで、新座市栄、元和光市企画部審議監(56)=詐欺罪で公判中、懲戒免職=を再逮捕した。
逮捕は5回目。市に現金などを預けて元審議監にだまし取られるなどした市民は4人となった。被害額は計約2878万円に及ぶ。
再逮捕容疑は、市内の60代無職男性から市が預かって金庫内に保管していたキャッシュカード1枚を持ち出し、2012年11月14日から18年12月5日までの間、和光市内の現金自動預払機(ATM)などで22回にわたり、現金計480万円を引き出した疑い。「間違いない」と容疑を認めているという。
同課によると、男性は自力での財産管理が困難で、成年後見人の選任手続きを進めるため、市が一時的にキャッシュカードを預かっていた。
県警は5月下旬の家宅捜索で、元審議監の自宅から男性の戸籍謄本を発見。押収した資料を調べたところ、犯行が分かった。盗んだ現金は自己の口座に入金し、カードの支払いなどに充てたという。
県警は、生活保護受給者の80代女性=故人=と認知症の80代夫婦から市が預かった現金をだまし取ったり、着服したなどとして、詐欺や業務上横領、窃盗の各容疑で元審議監を逮捕し、余罪を調べていた。
和光市の松本武洋市長は「元市職員が恒常的に窃盗を繰り返していたことに非常に強い衝撃を受けており、被害を受けられた方に対し、お詫びの言葉も見つかりません。今後も引き続き再発防止と信頼回復に全力で取り組んでまいります」とコメントした。