埼玉新聞

 

3億6千万円を盗んだ疑い、男逮捕…所持金107万円 現金運んだリュックなく「今後生きていく金」/県警

  • 吉川署=三郷市上彦名

 勤務していた三郷市内の警備会社から現金3億6千万円を盗んだとして元社員の男が指名手配された事件で、県警捜査3課と吉川署の合同捜査班は27日、窃盗の疑いで、住居不詳、無職の男(28)を逮捕した。

 「間違いない」と容疑を認め、「今後生きていく生活費として使うためだった。今の生活が苦痛で脱却したかった」と供述しているという。「一人でやった」とも話しており、県警は男の単独犯行とみて、盗まれた現金の行方などを調べる。

 逮捕容疑は、4日午前、勤務先だった三郷市新三郷ららシティ2丁目、警備会社「アサヒセキュリティ」新三郷オフィスの金庫室内に保管していた現金3億6千万円を盗んだ疑い。事件後、解雇されたという。

 同課によると、男は確保された際、計約107万5千円を所持。二つの財布に計約20万5千円が入っており、ズボンの右ポケットに全て1万円札で87万円を入れていた。逃走中に盗んだ現金を入れて持ち歩いていたとみられるスーツケース2個や大型のリュックサックは所持していなかった。

 公開手配を知った一般の人からの通報により、27日午後1時半ごろ、渋谷区渋谷3丁目地内で、警視庁の捜査員が男を発見し身柄を確保。渋谷署に任意同行して逮捕した。確保時には本名を名乗り、おとなしく同行に応じたという。

 県警は男が所持していたのは盗まれた現金の一部とみて、逃走中の足取りや潜伏先についても調べる。

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