埼玉新聞

 

実は難しい徘徊者への声掛け 秩父で認知症サポーター23人が訓練 立ち止まらせる難しさ、勇気も必要

  • 徘徊者役(右)に声を掛ける認知症サポーター=28日、秩父市番場町の番場通り

 徘徊(はいかい)による認知症高齢者の早期発見や保護につなげるための取り組みとして、秩父市地域包括支援センターは28日、市役所周辺で認知症徘徊者への声掛け訓練を実施した。昨年に続き2回目で、参加した認知症サポーター23人は市中心部を歩き回り、発見した徘徊者役に学んできた声掛けを実践した。

 訓練は認知症の正しい知識と理解を持つ認知症サポーターの研修会として実施。同市寺尾の秩父中央病院認知症疾患医療センターに併設する介護老人保健施設ビッラ・ベッキア支援相談課の内海巨史さん(42)が講師を務め、訓練内容や声掛けのポイントを説明後、訓練をスタートした。

 参加者は3、4人で1グループとなり、認知症サポーター養成講座の講師役であるキャラバン・メイトが扮(ふん)した徘徊者役を捜索。徘徊者役を発見すると、相手の正面から目線を合わせて優しく声を掛けた。名前や住所などが確認できると、地域包括支援センターに電話連絡した。

 参加者からは「徘徊者役を立ち止まらせるのが難しかった」「容姿や服装を正確に伝えることも大変」などの感想が出た。内海さんは「実際に徘徊している人に声を掛けるのは難しく、勇気もいるが、声を掛けてみようかなという気持ちを持つことが大事」と話していた。

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