熊谷市で2009年9月、小学4年の小関孝徳君＝当時（10）＝が死亡した未解決のひき逃げ事件から10年が経過した30日、県警が現場に献花台を設置し、警察官や孝徳君の母親ら関係者が花を手向け、手を合わせた。

　献花式には古賀康弘交通部長をはじめ県警の警察官ら約40人が参列。1分間の黙とうを行った後、献花台に置かれた孝徳君の写真に手を合わせた。古賀交通部長は献花後、「罪名が変わっても被疑者を捕まえるということは変わらない。遺族の気持ちになんとかして答えなければならない」と話した。

　献花には当時、孝徳君が通っていた小学校の校長や同級生の保護者らも参列。元校長の浅見信行さん（62）は「今年はちょうど20歳の節目だった。成人式を迎えられなかったと思うと残念」と肩を落とした。

　事件は09年9月30日に発生し、道交法違反（ひき逃げ）罪の時効は16年に成立。自動車運転過失致死罪（当時）の時効も目前に迫っていた今月18日、県警が適用罪名を時効20年の危険運転致死罪に変更し捜査を継続することを明らかにしていた。

　母親は「捜査が継続できるということなので、県警には初動捜査から改めてもらい、一日も早く逮捕されることを願っている」と話した。

　母親は引き続き、事件についての情報提供を呼び掛けるとともに、交通犯罪の時効撤廃を求める署名活動を行っている。母親のブログは「《未解決》熊谷市小4男児ひき逃げ事故！」。