悪徳金貸しや政府の悪政を批判 劇団埼芸、秩父事件をもとに舞台 農民たちの革命に焦点、桶川で上演
埼玉で活動する劇団埼芸(上尾市)は「秩父事件」をもとにした舞台「山の背の空~秩父れぼるーしょん~」(埼玉新聞社、県など後援)を12、13日、桶川市の響の森 桶川市民ホールで上演する。
秩父事件は135年前、農民たちが起こした自由民権運動だが、この舞台で描かれるのは武装蜂起に至るまでの農民たちの暮らし。そして家族や土地を守るために決起した男たち、新しい時代を生きようとする女たちの「革命」に焦点が当てられる。劇作家平石幸一さんの書き下ろし作品。
1884年、養蚕製糸で生計を立てていた秩父の農民たちは、生糸の大暴落に加え、村費や税金の増大によって接活は破たんしていた。男たちは、悪徳な金貸しや明治政府の悪政を批判し、減税と貧民の救済を訴えて、秩父困民党を結成し武装蜂起する。一方、女たちは、蜂起の前も後も生活を続けていく。
劇団埼芸は1965年に旗揚げ。今年54年目を迎えた。現在劇団員は15人。今回は劇団久喜座などから役者の協力を得て大舞台に取り組む。
演出の川村武夫さんは「こんな大きい芝居は久しぶり。劇団員は埼玉で実際にあった秩父事件を勉強して頑張っている。できれば若い人に見てもらいたい」と期待する。
主要キャスト古幡はなを演じる堀越飛鳥さん(41)は「全く知らなかった秩父事件だったけど、今は興味しかない。蜂起の時も、そこには生活があって、だからこそ人間のエネルギーがある。ぜひ成長の過程を見てほしい」と意欲を見せた。
響の森 桶川市民ホールはJR桶川駅西口から徒歩7分。開演時間は両日とも午後2時。入場料は一般3千円、65歳以上2500円、小学生以下1500円。チケットの申し込みは、カンフェティチケットセンター(電話0120・240・540)へ。
問い合わせは、劇団埼芸(電話050・3479・0481、FAX048・777・44430)へ。