埼玉新聞

 

<高校サッカー>西武台を筆頭に群雄割拠 聖望、武南は激戦区 14日開幕、決勝T見どころ探る

  • 決勝トーナメント組み合わせ

  • サイド攻撃を活性化させる西武台のDF佐野

  • 多彩な攻撃の中核を担う聖望学園のFW塚田

 サッカーの第98回全国高校選手権埼玉大会(埼玉新聞社など後援)は台風19号の影響で日程が変更され、14日に52校による決勝トーナメントが開幕する。決勝は11月17日に埼玉スタジアムで行われ、優勝校が全国高校選手権(12月30日~来年1月13日・埼玉スタジアムほか)に出場する。第1シードの西武台と第2シードの聖望学園は3回戦から、その他のシード校は2回戦からそれぞれ登場。大会の見どころを探った。

 県高校総体で4年ぶりの栄冠に輝いた西武台を筆頭に、S1リーグ4連覇の昌平、関東大会県予選を制した武南、新人大会準優勝の正智深谷などが火花を散らす群雄割拠の様相。今季の3大会で全て4強以上に進出している第2シードの聖望学園も県内初タイトルを視界に捉え、前回大会で17年ぶりの選手権出場を果たした浦和南は激戦区から2連覇を目指す。

■西武台―国際学院ゾーン

 個々の成長が著しい西武台は例年以上に接戦での強さが光り、中でも県高校総体決勝でハットトリックを達成したエース谷の存在感が群を抜く。センターバック(CB)関口がリーダーシップを発揮できるようになったことで、主将のDF佐野をサイドに配置して攻撃に厚みをつくれる。

 シード勢の中では比較的組み合わせに恵まれたが、初戦の相手になりそうなのが2年前準優勝の浦和西。フランス2部アジャクシオとプロ契約を結んだMF石山を擁する侮れない相手だ。

 関東大会県予選で西武台に競り勝った浦和東はヘディングの強さが際立つ安食、松本の両CBに期待。得意のセットプレーに加え、右MFの加藤が攻撃にアクセントをつける。CB板橋がけん引する埼玉平成は今季のS2Bリーグで58得点16失点と圧倒的な成績を残しているが、越谷西―市浦和の勝者とぶつかる初戦から気が抜けない。

 県高校総体で初の4強入りを果たした国際学院は夏を越えてプレー精度が向上。2年次から主力の植木、穴見の両CBとGK持田が守りの要で、MF下口、FW小河原は対応力が高い。関東予選で昌平を破った埼玉栄、立教新座、花咲徳栄も地力があり、虎視眈々(たんたん)と上位をうかがう。

■武南―聖望学園ゾーン

 速いテンポのパス回しを身上とする聖望学園は夏以降の練習試合で京都橘など強豪相手に連戦連勝。森田、塚田、柑子木の3トップは破壊力抜群で、けが明けで県高校総体を戦った塚田が中央に入ることで攻撃の引き出しも増えた。堅守とセットプレーでしたたかに勝ち上がる成徳大深谷、抜け目ないサッカーを展開する細田学園と4強を争うことになりそうだ。

 武南は伝統のパスワークに、ドリブルの推進力を加えたスタイルが今季の特長。流動的にポジションを変え、FW大谷、トップ下の青野、左SB安野が決定力を発揮する。正智深谷は左MF波多野の先発復帰が大きなプラス材料。浦和学院との対戦が予想される初戦で勢いをつけられるか。

 前チームで全国大会を経験したDF庄司、MF中道、FW佐藤が残る浦和南は、1969年度に高校3冠を達成した当時の監督、松本暁司氏が9月2日に逝去。喪章を着けて試合に臨む選手たちが、埼玉サッカーの黄金期を築いた名将の教えを体現したい。

 今大会はノーシードながら、県内随一の選手層を誇る昌平の力は誰もが認めるところ。トップ下の2年生MF須藤がタクトを振る攻撃は変幻自在だ。各校にマークされる戦いを勝ち上がれば、一気に頂点まで駆け上がる可能性は十分にある。

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